インタビュー
協同油脂株式会社 法務環境部 企画・環境課 課長 坂本 尚樹氏/法務環境部 企画・環境課 山本 拓司氏協同油脂(株)|排水処理設備点検・構内見回りのICT化で、業務効率化を実現!
企業環境部門の現場では、人員の確保と業務の効率化が日増しに求められています。今回は、構内の点検業務をICT(情報通信技術)化するアミタの「Smart パトロール」を導入し、業務効率化に臨まれている協同油脂株式会社亀山事業所(三重県)の、法務環境部 企画環境課 課長 坂本尚樹氏と、同課の山本拓司氏に日頃の工夫などをお聞きしました。
【写真】協同油脂亀山事業所 企画・環境課の坂本氏(左)と山本氏(右)
- 協同油脂株式会社...1936年創業。国内シェアの4割を占める国内トップのグリースメーカー。各種の自動車部品及び工業製品の潤滑用グリースの開発・生産を担う。高い品質と開発力を活かし、金星探査機「あかつき」に用いられた真空用の特殊グリースなどを開発。
- Smart パトロール...構内パトロール情報をスマートフォンやタブレット端末等で記録し、画像やテキスト(音声入力も可)で関係者にすばやく共有できるクラウドサービス。詳細はこちら
紙ベースでの点検チェックシートから、ICT化を実現
アミタ:企画環境課では、現在、どのような業務を行われていますか?
坂本氏:企画環境課では、作業環境測定や排水処理場の管理、工場の環境、安全を管理する役割を担っています。弊社の場合、多種多様なグリースを開発・生産していますので、たくさんの油脂類や化学物質を取り扱っています。周囲には農地も多いので、構内と工場の周辺環境の整備には非常に気を付けています。特に、排水処理施設の異常の有無をチェックする点検作業は日常的な業務ですが、欠かせない業務ですね。
山本氏:この辺りでこれだけ多くの油脂類を扱っている工場はなかなか無いかなと思います。消防署の方も、危険物を扱う工場として、職員の研修のために弊社工場を見学されるほどです。
アミタ:なるほど、環境や安全面での管理を重視されているのですね。現在、排水処理設備点検等を弊社のSmart パトロールで実施してくださっていますが、導入いただいたきっかけはどのようなものでしたか?
山本氏:最初は、名古屋でのアミタさんのセミナーに行ったのがきっかけですね。その後、担当の方からの説明を受けて導入を決めました。セミナーでは廃棄物の保管量をセンサーで把握できる装置(Smart センシング)などもあると知って、何かしら使えるものがありそうだと思い、相談しました。実際には構内の排水処理設備の点検の際の記録共有に使えるSmart パトロールを導入しました。
【写真】インタビュー時の様子
アミタ: Smart パトロールはどのような点が役立っていますか?
山本氏:その場でタブレット端末を使って入力できる点が、便利ですね。Smart パトロールを導入するまでは、排水処理設備点検は、記録用紙を持って毎朝、30分ぐらい現場を回って異常がないかをチェックして、ファイリングしていました。Smart パトロールを使うと、現場の写真もすぐに撮影できますし、筆記用具やカメラも不要なので、特に雨風の日に傘をもって点検に行く際には非常に助かります。
坂本氏:データとして残るのも、過去の記録が見やすくなるので、メリットの1つだと思います。何か異常が認められた時に、紙でファイリングした過去の状況を読み返すのですが、そういう時に紙媒体だとデータの傾向を見るときにグラフにすることもできません。しかし、データで取り込んでおくと、何かがあったときにグラフに加工して視覚化することもできますし、要因を分析もしやすくなります。これは紙ベースのファイリングからではなかなかできないことです。安全性の向上という意味でも役立っています。
アミタ:排水処理設備点検以外でもご活用いただいているとのことですが、どのような利用をされていますか?
坂本氏:構内の緑地管理作業の進捗状況確認にも利用しています。
草刈りや掃き掃除などは障害者雇用のスタッフにお願いをしていますが、これまでは、「どこでどんな作業をしたのか、口頭で報告を受けただけでは、進捗状況を把握しにくい」という課題がありました。構内地図を用いて作業を実施した区画を記録することもしていたのですが、実際の作業状況が分からないので定着しませんでしたね。そこでSmart パトロールを使ってみようと。もともと排水処理点検のために導入したのですが、タブレットで写真も記録できますから、緑地管理でも「作業前」と「作業後」の状況も適確に把握できるようになりました。部署内に共有できるので作業の漏れを防ぐことができ、便利ですね。
また、今後、夏の季節になれば、あちこちから雑草が生えてきますので人手も足りなくなります。その際は、見学のお客様の目に触れやすいところなどを優先的に手入れするわけですが、Smart パトロールの記録があれば、「次はどの場所を手入れしよう」という管理にも役立てられると考えています。
【写真】同社亀山事業所にて。構内で撮影した写真はクラウド上ですぐに共有できる。
その他、空き容器を処分する際の記録に使っています。ドラム缶やペール缶の掻き出し作業や圧縮作業も障害者雇用のスタッフにお願いしていますが、どの作業をどこまで実施したかを記録することで、作業工程の進捗状況を速やかに把握できます。こんな風に、Smart パトロールは気軽に様々な業務の管理に使うことができると思いますし、データが溜まっていけば、次は何をいつまでにするべきかという作業計画も適確に、効率的に立てやすくなるわけです。
アミタ:作業状況の確認にも利用されているのですね。実際にSmart パトロールを使ってみていただいての使い勝手はいかがでしょうか。
山本氏:使い勝手は非常に良いと思いますね。アミタさんが最初にフォーマットを設計してくださるので、すぐに使い始めることができました。操作自体も非常に簡単だと思います。IT機器の操作が苦手な人にもすぐに使えると思いますよ。
導入の決め手は「安・楽・軽」
アミタ:導入の際には他のサービスなどとの比較検討もあったかと思いますが、決め手は何でしょうか。
坂本氏:決め手は「面白そう」と思ったことかな(笑)。いや、それは本当にそうでした。ただ背景としては、現場作業の人繰りの問題がありましたね。企画・環境課の現場作業の多くは定年退職者の再雇用だったり、派遣の人材だったりするわけですが、定年再雇用の方もいつかは辞めていかれますし、派遣の人材は今、外国人労働者が多い状況で日本人の方の採用が難しいですね。弊社の工場では、化学物質を多く取り扱いますし、フォークリフトで多種多様な資材や廃棄物の管理までを取り扱うので、コミュニケーションが密でないといけません。そのため、日本人スタッフに頼ることになるのですが、現在は人材確保が難しく、繁忙時には人繰りが圧迫されるわけです。そのようなことからICTの導入は経営層からも機会を伺う声が出ていましたね。そんなときにアミタさんのセミナーでのサービスを知って、うちの部署でできることといったら帳票をデジタル化するというところからかなあ、と。
また、Smart パトロールは、導入費用も比較的リーズナブルで、まずは試しに始めてみようかなと手を出しやすかったことがありますね。
当社の製品は、お客様との共同開発品が多く、原料や製造工程を勝手に変えることはできません。また、多種多様な原料を扱っていますので、業務効率化を促進する上でICTをどのように導入するかが悩ましいところでした。その点、Smart パトロール採用にあたっては、新たな設備導入が不要で、他部署の手を煩わせる事が無く、自部署で準備が完結出来た点も大きかったと思いますね。
【写真】同社亀山事業所にて。点検の様子
アミタ:ありがとうございます。弊社としても、環境部門でのICT化は最初の入口で悩まれる担当の方が多いと感じていましたので、初期導入のハードルを如何に下げるかという点で工夫をしてきました。本日は貴重なお話を頂きありがとうございました。
お問い合わせ
話し手プロフィール(執筆時点)
坂本 尚樹(さかもと なおき)氏
協同油脂株式会社
法務環境部 企画・環境課 課長
1991年、協同油脂株式会社に入社。技術部門、営業部門を経て、2011年に亀山事業所に異動し、現在は環境関連業務(環境法令、排水処理・廃棄物管理、省エネルギー対策、ISO14001事務局)を担当。
山本 拓司(やまもと たくじ)氏
協同油脂株式会社
法務環境部 企画・環境課
2004年、協同油脂株式会社に入社。営業部門、管理部門を経て、2019年に亀山事業所に異動し、現在は環境関連業務(環境法令、排水処理管理、構内美化の取りまとめ等)を担当。
聞き手プロフィール(執筆時点)
長野 由季(ながの ゆき)
アミタ株式会社
サステナビリティ・デザイングループ ソリューションチーム
関西大学大学院理工学研究科卒業。塗料メーカーの技術職を経て、2016年アミタ(株)に入社。主に関西エリアで廃棄物管理支援、システム導入支援などを担当し、企業の環境業務のリスクとコストの同時削減を支援。趣味は野鳥を観ること。
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