インタビュー
ライオン株式会社 CSR推進部 環境保全推進室 矢島 敏夫 氏ライオン|社内外コミュニケーションのための生物多様性特設WEBサイト開設!【後編】
前回の特集の後半部分。企業のステークホルダー・エンゲージメントや外部コミュニケーションが重要視される中、ライオン株式会社では2015年夏より生物多様性特設WEBサイトを開設し、社内外コミュニケーションの促進を図っています。WEBサイト設置のきっかけや、その後の変化について、ライオン株式会社CSR推進部環境保全推進室 矢島様よりお話を伺いました。インタビューは、編集長 猪又で進めました。(CSRJAPAN副編集長=高橋泰美) 写真:ライオンちゃんの前で
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【関連URL】ライオンの生物多様性保全の取組み
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コミュニケーションツールとしてのWEB活用
猪又:他社でも同様のセミナーを実施している事例はありますが、御社の特徴としてWEBサイトにて活動を継続させていこうとした点、またWEBサイト制作においても現場担当者を巻き込んで企画されたという点です。よくトップダウンや広報主導で制作されるケースが多いですが、御社ではなぜ現場の環境担当者の方も制作に参画されたのでしょうか?
矢島氏:以前から各事業所において、環境活動の取り組みに関する情報発信を社内報などでは行ってはいましたが、社外への発信ができていませんでした。その社外発信を環境担当者に依頼しようと考えた時に、業務負荷が増えないよう、なるべく手軽に実施できるものがいいと考えました。そして本社としては、社外発信するのであれば、発信内容やレイアウトなど統一感をもった情報にしたい、また全事業所の取組みを本社でも把握したい、という希望を持っており、WEBならそれが可能ではないか、ということになったのです。企画は本社が考え、現場環境担当者に意見を聞きながらWEBサイトの制作を進めていく形となりました。
猪又:それはすばらしいですよね。社内浸透というと研修で終わってしまうことが多いですが、WEBサイトで情報発信ができると活動も継続できますし、記録を見ることでPDCAを回すことが可能になります。WEBサイト立ち上げ後はいかがですか?
矢島氏:6月に生物多様性特設WEBサイトを開設し、社内説明会なども開催しながら進めてきて、最近では担当者が直接発信することも増えてきました。負担なくタイムリーに情報が分かること、担当者間でのつながりを重視したサイトにしたいと考えています。他の方に当社の活動を紹介する際に、WEBサイトを見ていただくことで理解を深めていただけます。記事の中ではさまざまな生き物の写真が並び、見応えがあります。時系列に掲載されますので、活動の記録という面でも役立ちます。
画像コメント:瀬居小学校と協働の総合的な学習開始 (ライオンケミカル㈱オレオケミカル事業所の取組みより)
他社に例がない国内初の社内浸透の取り組み
猪又:社内本社担当者がやるブログはありますが、社内を巻き込むツールとしてWEBをつかっているのは御社が初めてではないでしょうか。ぜひ継続して続けていただき発展させてほしいです。私達一消費者も社内の取組みが分かるWEBサイトは、企業の信頼感につながっていきますね!
矢島氏:まだできたばかりですので、改善もしていきたいですね。例えば、このWEBサイトから社内のサイトへもリンクを張る、または他の媒体からこのWEBサイトに入ってもらうなど、そういった連携をしてサイトの価値を高めていきたいと思っています。ご覧いただければ分かりますが、地道に活動していることが分かっていただけるのではないでしょうか。現在5事業所の活動を発信していますが、各事業所の近くの方に「自宅近くでこんな活動をやっているんだ !」という気づきにつながればいいなと。
猪又:WEBサイトを通じて、地域活性や地域とうまくコミュニケーションができるツールにもつながるといいですね。
矢島氏:生物多様性の活動は地域を巻き込むのにマッチした活動です。地域の子どもたちを集めて自然観察会をやっている事業所もあります。工場見学にいらした方々にトンボやビオトープを見てもらい、地域の方々にも生物多様性について知っていただく活動を実施し、それをWEBサイトで発信したりもしています。
画像コメント:大賀ハスが咲きました!(千葉工場の取組みより)
今後の取組みは?
猪又:それでは最後に、今後2020年に向けた展望についてお聞かせください。
矢島氏:生物多様性の取組みは現在のところ、生産現場を中心に行っていますが、2020年までにオフィスも含めた全事業所で活動を行うことを目指しています。オフィスに関しては、例えば名古屋オフィスでは、名古屋城の外堀のヒメボタルを保全する活動に取り組んでいます。オフィスは工場と違って敷地がないものですから、地域や家族を巻き込んだ活動を展開していきたいと考えています。
また、その他環境目標についてはエコビジョンV-2計画を策定し、その計画に沿って取組みを進めています。
猪又:今後もエコ・ファースト企業として、ますます発展されることを願っております。本日はありがとうございました。
画像コメント:インタビューは終始和やか。矢島様、ありがとうございました。
プロフィール
矢島 敏夫(やじま としお)氏
ライオン株式会社
CSR推進部環境保全推進室 主任部員
1989年の入社以来、洗剤・柔軟剤原料のプロセス開発等、研究開発業務に従事。2012年7月にCSR推進部に異動し、社会貢献活動の主担当として、健康・快適、環境、被災地支援の各分野で、本業を活かした社会貢献活動企画の立ち上げ・運営に携わる。2015年7月にCSR推進部 環境保全推進室に異動。環境対応先進企業を目指した環境目標「Eco Vision 2020」の達成に向けて、環境管理、生物多様性保全活動等に取り組んでいる。
インタビュアー
猪又 陽一 (いのまた よういち)
アミタ株式会社
CSRJAPAN編集長 兼 CSRプロデューサー
早稲田大学理工学部卒業後、大手通信教育会社に入社。教材編集やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て大手人材紹介会社で新規事業を軌道に乗せた後、アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」等をプロデュース。現在、企業や大学、NPO・NGOなどで講演、研修、コンサルティングなど多数実践中。
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