インタビュー
姫路港運株式会社 代表取締役社長 中村 滋彦 様, 業務部 第2課課長 戸田 剛 様一緒にハードルを越えていく一体感、共有感、親近感がものすごくありますね
姫路循環資源製造所の20周年にあたり、創業当時から物流パートナーとしてお世話になっている姫路港運株式会社代表取締役社長、中村 滋彦様と業務部 第2課課長、戸田 剛様に、改めて御礼を申し上げると共に、両社のこれまでの歩みを語っていただきました。
(聞き手:アミタ株式会社 常務取締役 杉本 憲一、姫路製造第一チーム チームリーダー 古森 臣恭)
(この記事は、姫路循環資源製造所20周年キャンペーンの際の記事です。)
挑戦の機会をもらって、気づいたら新しいことができている
杉本:アミタグループは創業以来35年間、発展すればするほど自然資本と人間関係資本が増幅するような「持続可能な産業」の創造を目指して事業を行っています。その中で、我々のメイン事業であり、また一番の歴史を持つ地上資源事業の中核となる姫路循環資源製造所が、2012年の7月で20周年を迎えました。ここまで事業を続けてくることができたのも、一重に御社のご協力があってこそです。本当にありがとうございます。
中村氏:おめでとうございます。アミタさんとは、もう35年以上のお付き合いになります。当社は社名のとおり港湾運送業者で、船で運ぶ荷物を載せたりおろしたり、倉庫で保管したりする仕事を行っています。創業当初は青果等を扱っていましたが、姫路港が工業港として整備されていく中で扱い品目も工業原料、製品、燃料に変わっていき、現在に至っています。今は合同製鐵構内作業部門との2本柱で事業を行っていて、御社とは港湾運送部門でお世話になっています。
杉本:合同製鐵部門を立ち上げられたのが1977年で当社の創立と同じ年ですね。
中村氏:私どもにとっても1977年というのは節目の年でした。当時、アミタさんが再資源化されていたダストを、私どもが海上輸送したのがお取り引きの始めですね。そういうダストビジネスから再資源化ビジネスのパートナー関係が始まって、現在は姫路循環資源製造所で製造されているセメントメーカー向けの原料等を私どもが輸送しているという流れですね。
杉本:御社には節目節目の重要なところで必ず助けていただいています。姫路循環資源製造所を立ち上げた際に、増産したCRM(Cement Recycle Materialの略)の出荷をお願いする等、何か大きな取り組みを開始する時に、常に関わっていただいています。
中村氏:新しい取り組みをご支援する場合は、当然輸送方法の検討やその段取り、必要な許可の取得等、越えるべきハードルが多くあります。ただ、それを超えることで当社も経験と技術を蓄積し、それによって更に貨物の量が増えるという、お互いにハッピーな関係ですね。
古森:当社に残っている御社とのお取り引き資料を調べたところ、製造所創業当初、兵庫県のセメント工場向けにダンプカーでセメント原料を運んでいただいていたようです。海上輸送は1996年に500tのテスト出荷をしたのが初めての記録でした。
中村氏:そのテスト出荷した企業様から、御社は2003年9月に、50,000t達成の感謝状をいただいておられましたよね。1996年から約8年で50,000tですから、かなりのペースで私どもも輸送でお世話になっています。セメント原料ですと、これまで約170,000tの輸送を担当させていただきました。
当時はセメント原料の海上輸送もほとんど例がなく、性状も今ほど良くなかったため、船主さんから「こんなもの運べるか!」と言われたり、荷揚げも思うようにできない等、様々なトラブルがありました。そのたびに御社の担当の方にご同行頂き、対応していた記憶があります。本当に試行錯誤の連続でした。
船への積み込みというと、単純に思うかもしれませんが、貨物の性状によって全然取り扱い方が違いますし、船形によっても積み込み方式や設備が異なり、当然人員も変わります。所要時間もなかなか予測がつきません。昔は、どこの荷主様も価格の安い船にお願いしますから、いざ現場に来て、本当に積めるのか?というケースもたくさんありました。今は事前に貨物の画像がメールで送られてきますが、当時は電子メールも無いですからね。
でも諦めずに試行錯誤し、扱ったことの無い積荷の扱い方を少しずつ構築し続けてきた。そういう意味ではアミタさんには常に手を引いてもらい、新しい挑戦をさせてもらって、最初はへとへとになりながらも気がついたらできるようになっていた、ということがたくさんあります。これは本当に感謝しています。得たノウハウは、他の依頼主さんとのビジネスにも活用できましたし。企業はやっぱり常に新しいことに挑戦していかないと、既存のビジネスを守っているだけでは、目減りするいっぽうですからね。
常に新しいハードルと挑戦を
杉本:海上輸送だけでなく、港湾荷役等、御社にご依頼している全部の貨物を含めたら何百万tのお付き合いになると思います。物流会社はたくさんありますが、我々が御社と長い間お付き合いさせていただいているのは、信頼関係に基づいた安全と安心です。御社なら何とかしてくれるだろう、という期待感、安心感は、お金でどうこうなるものではありません。我々の扱っている発生品は形状も性状も様々で、取り扱いに慎重を期すものがおおくあります。それを扱うには経験に裏づけされた臨機応変な対応が必要になります。
御社だとそこに安心感がある。難しい要素があっても、御社となら、解決できるだろうと。それに、仕事をお願いする側からすると、私たちの想いや企業姿勢をご理解くださり、「あ・うん」の呼吸で対応してくださるところにお願いすることが、結局はコストや安心・安全にも跳ね返ってくる。だから信頼関係がある御社との仕事は、精神的にも安心できます。この安心感は、お客様に対して信頼を与えるという御社の社風が大きく影響していると思います。
中村氏:私どもにはそれしかないんです。クレーン、ショベル、重機、これはどこの会社でも調達できます。でも同じ機械でも、当然扱いで結果が違ってくる。だからこそ、提供していただいたいろんな知恵や情報を元に、当社で試行錯誤して信頼を構築していく。それが長いお取り引きにつながっていくと思うんです。 物流業者は、「できて当たり前」と思われがちですが、実際はかなり厳しいことも多くあります。それでも何とか、最後にはうまいこと船を見送れているのは、ずっと挑戦し続けてきたからこそだと思っています。
杉本:御社は今年(2012年)で53年目ですよね。事業分野は一貫されていますが、その内容は決して同じことの継続ではないと思うんです。何かを継続していくためには、絶えず新しいものを生み出していかないと、お客様が価値を認め続けてくれない。例えば我々の製造所でも、長年造っているものは同じでも、手法や付加サービス等、絶えず新しい付加価値を生む努力をしています。だから継続できている。御社も、荷役という仕事の中で、様々な創意工夫で価値を創造されているからこそ、50年以上年続いているのだろうと思います。
弊社に改善してほしい点も、この機会にぜひ教えていただきたいです。
戸田氏:異動が多いことでしょうか(笑) どなたが今どこに所属されているのか、正直把握しきれていません。ただ、アミタさんはどなたも皆さん有言実行で、ものすごく前向きにやっておられることと、ある案件の質問を別の担当の方にしても、情報共有がなされているので、簡潔な回答をしていただいています。
古森:ありがとうございます。 社内の情報共有もパートナー様へのご説明も、まだまだ不足していますので、早急に改善していきます。最後に、世の中が環境やCSRを意識してきていますが、物流としての社会的責任について教えてください。
中村氏:物流輸送は世の中の裏方です。そもそも貨物の輸送需要がないと事業がなりたたない。自らが主体的に価値を作り出すのは難しい面があります。しかし、裏方として、やはりお客様のニーズや変化にきちんとついていくことが大事だと思っています。
典型的な例が環境面です。情報も技術もどんどん変化していく分野ですから、指摘されて対応するのではなく、常に自ら問題意識を持って、荷役のやり方等、日々の業務を改善していく気持ちが大切だと思っています。ややもすると全部が定型業務として意識が埋没しそうになりがちな事業分野なだけに、意識の持ちようは気をつけています。そういう意味でも御社は、常に新しい挑戦、新しいハードルを、一番たくさん与えてくださる会社だと思います。一緒に問題を解決し、一緒にハードルを越えていく一体感、共有感、そして親近感がものすごくありますね。
杉本:ありがとうございます。いろいろこれからもご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします。
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