CSRは会社の宝探し!中小企業のCSRは現状を把握するのが「初めの一歩」 | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

さいたま市 経済局 経済部 経済政策課 総務係 主任 村上 様 / 允治社 代表社員 泉 様CSRは会社の宝探し!中小企業のCSRは現状を把握するのが「初めの一歩」


「今まで当たり前だと思っていた活動が評価され、他社と差別化できる。」「日々こつこつやってきたことがCSRとして認められ、社外で紹介される。」

社会的に評価される取り組みを行っていても、企業の認知度向上や社員のモチベーションの向上につながらず、悩んでいる中小企業の方々は多いのではないでしょうか。埼玉県さいたま市では、そのような企業にチャンスとなる「さいたま市CSRチャレンジ企業認証事業」を開始しました。

今回は、この事業が始まった経緯や中小企業におけるCSRについて、事業を担当しているさいたま市村上氏、認証基準の作成に深く関わった允治社泉氏に伺いました。

「CSRチャレンジ企業認証事業」がなぜ始まったのか

猪又:CSR認証事業を開始された理由は何ですか?

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村上氏:もともとは現市長のマニフェストにおいて、CSRを評価する仕組みを作ると示されたところから始まりました。私自身は担当になってから、本格的にCSRの勉強を始めましたが、実際に中小企業の方々に取り組みの状況を伺うと、想像以上に多くの企業が社会的健全性に資する取り組みを行っていて、とても驚きました。

CSRには「5Sを徹底している」「従業員に休憩を徹底している」等、改めて考えるとごくごくあたりまえのことが多いですよね。その当たり前のことをしっかりと行っている企業を継続的に支援できる方法が何か、検討した結果、CSR認証に行き着きました。

猪又:事例の少ない事業ですし、苦労された点も多かったのではないですか?

村上氏:CSRに馴染みの薄い方に対して、CSRの考え方をうまく伝える方法や取り組み内容を評価する方法は悩みましたね。

ISO26000が発効された後でもありましたので、それらの内容も意識する必要がありましたが、その一方で、例えばISO26000で言及されるような「人権」については、中小企業の方にはイメージしにくい内容も含まれており、評価項目の制定には苦労しました。

さらに、実際の活動とかけ離れた評価項目を設定してもうまく機能しませんので、まずは中小企業の方に「あなたはこれをやっていますか、いませんか?」という実態をリサーチして、その結果をまとめた上で、どのように評価項目に反映させるか考えました。

企業が普段行っている活動が「CSRですよ」と気づいていただける方法は何か。そして、その活動内容を評価するにはどうしたらよいか。考えた結果、企業のCSR活動状況を企業自らが総合的に評価できる「CSRチェックリスト」を作成することにしました。

猪又:CSRのチェックリストはどのように作成されたのですか?

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村上氏:まず、認証制度の制定にあたっては、専門的な視点が必要になることから、調査研究のための有識者会議を立ち上げることになったのですが、その過程で、允治社の泉さんが主筆を務める「CSRジャーナル」と出会い、委員就任を依頼しました。そして、会議の中で「チェックリスト」というアイデアをいただきました。

泉氏:村上さんの話を色々伺って、作成にとりかかりました。基本になっているのは、「CSRは経営と同じ」という考えです。経営にはCSRに関することが散在しています。それらを体系化して、自社の実施状況を可視化することがチェックリストの役割だと思っています。

そのため、誰にでも「企業にとってなぜCSRが必要なのか」という点がわかるように作成しています。

▼CSRチェックリスト~中小企業のためのCSR読本~

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中小企業のCSRは「宝探し」

猪又:日本の社会にとって中小企業がCSR活動を行うことは必要なのでしょうか?

泉氏:CSRは、企業経営を考えた際の一つの切り口にすぎません。

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企業は企業活動の結果ではなく、プロセスでESG問題に取り組まなければならない。実際に提供しているモノやサービスだけがよいものであっても実際にはESG問題の改善にはつながらないわけですから、業態そのものが公開会社であろうがなかろうが第三者にサプライチェーンを公開できる状態にしないといけない。

その果たすべき責任がCSRです。

これは、企業の規模の大小とか、業種・業態の差異というのはまったく関係ないと思います。

猪又:経営にCSRを活かすという観点で考えたとき、自社でも取り組みたいと考える中小企業の方は他の自治体にもいらっしゃると思います。そのような方は何からスタートすればよいと思いますか。

村上氏:まずは、『会社の宝探し』をしていただきたいですね。自分の会社でできることは限られています。そのリソースを社会的に評価されるようにしていくことこそが、CSRと言えると考えています。一部、さいたま市の企業向けになっている箇所はありますが、自分の強み弱みを探し出すために、市外の企業の皆さんにも、自由にチェックリストを使っていただきたいと思います。まずは自分の会社の現状を把握することが初めの一歩ですから。

▼さいたま市CSRチャレンジ企業認証事業とは?
https://www.city.saitama.jp/005/002/010/002/p063489.html

プロフィール

村上 正史
さいたま市 
経済局 経済部 経済政策課 総務係 主任

2003年 さいたま市入庁。2009年から、CSRやコミュニティビジネス・ソーシャルビジネスなど、企業の経済性と社会性の両立に関する分野の施策を担当。さいたま市CSRチャレンジ企業認証事業の立上げに深く関わる。


泉 貴嗣
允治社
代表社員

武蔵野大学環境オフィスシニア・マネージャー、講師(「CSR・SRI論」「社会・経済環 境論担当」)などを経て、CSR及び産学連携支援の個人事務所「允治社」、CSRオピニオンに関するウェブマガジン「CSRジャーナル」、ソーシャルビジ ネス・CSRを体系的に学べる場を創る、ソーシャルアカデミー(Social Academy)を設立。


猪又 陽一
アミタ株式会社
総合環境ソリューション営業グループ
ナレッジソリューションチーム チームリーダー

環境分野におけるマーケティングや仕事・雇用・教育をテーマに研究開発。「おしえて!アミタさん」「CSR JAPAN」をプロデュース。サイト集客数を約300%アップさせる等、環境やCSR戦略・マーケティングに従事。

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