インタビュー
アサヒ飲料株式会社 環境室 課長 小牧 悟 様 / アサヒグループホールディングス株式会社 CSR部門 課長補佐 渡辺 知広 様1人の100歩より、100人の1歩-研修後、社員が能動的に「次の1歩」を考えてくれました-
「どうやったら、社員に環境・CSR活動の重要性をわかってもらえるだろう?」「どうやったら活動に巻き込める?」環境・CSR担当者の悩みの種ですよね。
アサヒ飲料株式会社では、2012年7月、各事業場の環境推進担当者を対象に、アミタの『CSR・環境ステップアップ研修』を開催しました。この研修には、アサヒグループホールディングス(以下、HD)やアサヒビールを初めとした他の事業会社の環境担当者もオブザーバーとして参加しました。研修を主催したアサヒ飲料環境室の小牧氏とHD CSR部門の渡辺氏に、研修を企画した背景や、社員を巻き込むための取り組みを伺いました。
外部に"もう一人の担当者"がいることで持続可能になる
-今回、CSR・環境セミナーを受講していただいた理由を教えてください。
小牧氏:環境推進担当者の"動機付け"が主要な目的です。食品メーカーは「安全・安心」に代表されるように「品質」や「業績」が重視され、環境への取り組みは大切な活動ですがなかなか評価されにくいんですよね。環境活動に取り組む意義や目的を再確認してもらい、担当者の意欲を高めたいと考えました。
また、活動を継続するには、会社のことを理解し客観的に見守ってくれる"もう一人の担当者"が社外にいると心強いと思いました。企業の環境活動って、どちらかというと担当者個人の想いや熱意に左右されがちだと思うのです。それが悪いわけではありませんが、「担当者が異動になったらレベルが下がってしまった」では困りますね。そこでアミタさんにサポートしてもらえないかと相談し、今回の研修プログラムを一緒に作り上げていきました。
CSR・環境活動の鍵は、社員を巻き込むこと
-事業会社が発案した研修に、HDや他の事業会社の方も出席するというのは珍しいケースではないでしょうか。
小牧氏:研修の主役は受講するメンバーなので、よい企画であれば「これは誰それが担当するべき」という"べき論"ではなく、立場や役割を越えて、「やれる人がやる」でいいと思います。せっかくの研修なので、組織を超えてたくさんの人に声をかけました。そのほうが張り合いもあるし。研修の中でも環境推進の担当者がいかに職場の社員を巻き込むか"という内容を盛り込みましたが、まずは自分が行動して感じ、そして周囲も「お、なんだか面白そうだな」と思ってくれれば自然と協力してくれると思います。その活動や達成感を共有できれば、アサヒグループの"その感動を、わかちあう。"というコーポレートブランドステートメントにも繋がるのではないかと。CSRや環境というと硬くなりがちですが、担当者が楽しく取り組むことが肝心だと思っています。
渡辺氏:HDとしても、今回のように事業会社から積極的な提案や動きがあるのは嬉しいことです。一般的な組織図では、HDの下に事業会社が置かれますよね。でも、上から下への指示の流れがいいかというと、必ずしもそうではないと思います。現場から投げられるボールを、HDが受け止めて返す。こうした動きがあってもよいのではないかと考えていますし、そのようなキャッチボールが、他のグループ会社とも広がっていけばと思います。
"環境活動を会社の利益につなげる"社員に一番伝えたかったメッセージを伝えることができた
―受講者の反応はいかがでしたか?
小牧氏:全員が真剣に取り組んでいたのが印象的でした。アンケートを見ても評価が高く、「環境活動やCSRに取り組むことが、会社の業績やコスト削減にどうつながるかがわかり勉強になった」という意見が多数ありました。当初の目的は果たせたと思います。 実は、もっと批判的な意見が出るのではと構えていたんですよ。でも、蓋を開けてみれば「まずは○○さんを巻き込もう」等、自分たちにできる「次の1歩」を考えた発言がたくさん出てきました。能動的・主体的な姿勢の意見が多く、いい意味で裏切られました。
"覚えたこと"は忘れてしまっても、"感じたこと"は思い出せるでしょう。1人の100歩より、100人の1歩。ここから行動につながっていけばと考えています。
―アサヒ飲料さんは形式よりも実践を大事にされていますね。
小牧氏:企業活動の一環として、利益につながるよう考えて活動をしないといけないと思っています。それを理解し実践することで持続可能な活動になるのではないかと。形式的な活動を否定するつもりはありませんが、どうせやるなら想いを込めてやったほうがいいじゃないですか。そして多くの方々と"その感動を、わかちあう。"ようにしたいですね。それが今回、一番皆さんに伝えたかったことです。研修プログラムはアミタさんと相談しながら作っていったので、伝えたいと思っていた内容を正確に伝えることができました。最初から内容や形が決まっている研修では望む結果は得られなかったと思います。
今回の研修を第1歩として、社内啓発を継続し、さらに多くの方々も巻き込める活動にしていきたいと考えています。今後もよろしくお願いします。
―ぜひ、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
アミタのCSR・環境ステップアップ研修の特徴
- CSR・環境の潮流や業界ごとの最新事例など、貴社の持つ課題や要望に合わせて研修内容をコーディネートします。
- 貴社の取り組みを事例としたグループワークにより、受講者が「今、何をすべきか」を理解。知識を増やして終わりでなく、実践につなげます。
- 研修後アンケートをもとに、足りない部分・求められている部分を抽出し、次回の研修内容を調整します。
【アサヒ飲料様の研修プログラム】
- 環境CSRを取り巻く背景
- アサヒグループ環境ビジョンとISO26000の関係
- グループワーク~これまでの取組の共有と分類~
- グループワーク~エコドライブ推進の課題と対策~
- 活動運営のポイント 社員を巻き込む!企画づくり 成功事例の共通点
- グループワーク~CSR・環境活動の目標を作る~
- 利益への結びつけ方
関連情報
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