インタビュー
株式会社コスモスモア CSR推進室 小川 陽平 様・永 拓也 様 社員を巻き込むCSR・環境活動(2/2)-eco検定で社内の「共通言語」をつくる
前回に引き続き、今回は、eco検定受験を使って、社員をうまく巻き込んだ環境活動をされている、コスモスモアのCSR推進室 室長 小川 陽平様とリーダーの永 拓也様に社員を巻き込む環境活動についてお話をお聞きしました。
(← 第1回の記事はこちら)
環境を1から学ぶのに適した「eco検定」で社内の共通言語をつくる
蝦名:まずはeco検定に取り組まれた経緯をお聞かせください。
小川様:eco検定は目的でなく、手段であって、その先にあった事業への展開があるからとりくんだのです。建設業の中で、価格、納期、品質はもちろん重要ですが、なかなか差がつかない。ということは、人が差別化要因になります。差別化するには、事業の周辺知識等も重要だと思っています。
蝦名:手段としてeco検定を選ばれた理由をお教えいただけませんか?
小川様:1週間ぐらい一生懸命頑張れば合格できる。でも頑張らないと合格できない。そこがいいのだと思います。実際合格点がでて、社内で自分より点が高いともっと頑張ろうと思ったりもします。また、今まで難しくてわからなかった言葉もわかるようになって、その先に進むのにも向いていますよね。
蝦名:ハードルが高すぎず、でも頑張る必要があって、結果としても合格という目に見えるものもある。
小川様:そうですね。その辺りが絶妙なのだと思います。COP10等の言葉は、受験する前は全く知りませんでした。以前、京都に住んでいましたが、京都議定書すら知りませんでした。受験勉強の過程で、ああそういうことかと理解しました。ちょうど、今更きけない環境情報がうまく選ばれていると思うのです。
蝦名:何がわからないかがわからない状況から、おぼろげに理解できるようになると、調べられるようになりますものね。勉強会みたいなものはやられていましたか?
永様:やっていましたね。模試等も小川の事業部が任意でやっていました。それによって、社内の共通言語は増えました。例えば、リサイクルという言葉もようやく社内的に意識できるようになりました。もったいないので、なるべく壊さなくてすむものを使って組み立てようとか。
小川様:できれば、もうワンステップ上の中級編、上級編、実務編みたいなのがあるといいかもしれないですね。
コスト削減、商品開発、レポート作成にも波及効果が
蝦名:省エネの取り組みもうまくいっておられますが、やはりeco検定等の受検によって進んでいった、というのはありましたか?
小川様:あると思いますよ。水量の削減が省エネにつながるという話は、eco検定を受けていなければ、わからなかったと思いますよ。水を作るのにもエネルギーが必要というのはなかなか伝わらないですから。
当社のカーボンオフセット関連商品で、「いいことオフィス」というのがあります。商品開発段階でコンサルタントにも入ってもらいましたが、計算式は全部社員が作りました。エレベーターの種類によって、CO2削減率がどう違うか等はエレベーターの企業に直接確認して、調べていました。トラックごとのCO2等も調べていました。何かのきっかけに皆自分で調べるようにはなってきています。それを機により理解が深まりますよね。
蝦名:そのきっかけとしてeco検定は役立ったのですね。省エネ活動も貴社のサステナビリティレポートを読む限りとても楽しんでやってらっしゃるような気がしたのですが?
小川様:そうですね。若い人の発想が活きています。人によって程度の差はあると思いますが、自由にやっています。それでも統一感が出せるのは、社風が浸透しているからでしょうね。
蝦名:レポートにCOP10という言葉も出てきていますが、やはりそういったサステナビリティレポート製作にもeco検定は活きているのですか?
小川様:そうですね。eco検定を受けていれば、編集会議の参加者の認識レベルのボトムもある程度あがりますからね。
蝦名:やはり目的を明確にもたれているから、eco検定の導入もうまく行っているのですね。ありがとうございます。
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(聞き手)プロフィール
蝦名 裕一郎 (えびな ゆういちろう)
アミタ株式会社
マーケティング事業部 マーケティングチーム
アミタ株式会社に入社後、人事部門、コンサルティング部門を経て、企業の環境教育活動のプロデュース、省庁との地域活性化支援事業の運営等に携わる。
ソーシャルビジネスに関する新規事業部門を経て、現在はCSRレポートの横断検索サイト「CSRJAPAN」の運営とCSRコミュニケーションの分析、コンサルティング業務に従事。
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