インタビュー
株式会社システム規格社 代表取締役 中尾 様「かたちだけ」はもう要らない!本業とリンクさせたISOマネジメントを仕掛ける専門誌
9000系や14000系など、ISOを取得している企業は数多くいますが、本当に効果があるのか?といった疑問や課題などを持っているご担当者さまも多いと思います。 こうした中、数あるISO分野の専門家・専門誌の中でも、本業とリンクしたISOマネジメントの重要性を提唱し、創刊以来 一定の読者層を集める雑誌があります。 ISOの取得や維持するための監査対応業務などは、企業の成長戦略においてCSRやコンプライアンスを遂行していくために、とても重要な役割を担っているといえます。
こうした専門的分野に携わるご担当者さまに向けて、最新動向などの情報を発信している、マネジメントシステム規格の専門誌「アイソス(ISOS)」を手掛けている、株式会社システム規格社の中尾さまに、発刊の経緯や思いなどをお伺いしました。
ISOを取得した後の企業や担当者をサポートしたい
―― アイソスとはどんな雑誌なのですか?
雑誌のタイトルの通り、ISOマネジメントシステムに特化した雑誌で、主に企業の品質・環境管理のご担当者さまが、主要な読者です。 ISOというのは、取得する際には色々と調べたり、専門のコンサルタントなどもいるため、大変ながらも取得業務は進行するのですが、取得した後、維持をしていくところには、なかなかサポートが得られにくい場合が多いのです。 アイソスでは、どちらかといえばこうした「維持をしていく使命がある方」に向けて、サポートできるような内容になっています。
「紙・ごみ・電気」は続かない、本業とISOマネジメントのリンクが重要
―― 企業やご担当者さまとして、具体的にはどのような課題があるのでしょうか?
例えば、「省エネをしよう」となったときに、どこでもやるのが「紙・ごみ・電気」です。つまり、無駄な印刷やコピーを控えて、ごみを減らし、お昼休みには電気を消して過ごして省エネを実行するわけです。 確かにすぐ目に見えてコストは減るのですが、これではどこも長続きはしません。しかも、3年に1回のISO更新時期が来るころには、簡単に効果が出るものはやり尽くしてしまって行き詰ってきます。
これは、ISOを取得したみなさんがご経験されることですね。 そこで、会社の本業とリンクしたことをしなければならないと考え、自分たちでマネジメントを始めるようになります。 例えば、工場であれば、生産工程の中でどのように環境負荷を低くするか、商品企画の段階でエネルギー消費が少ないものは何か考え始める。
この段階までくると、本当の意味での効果が出てくるのですが、実際はISOの維持だけを考える企業と、もっと前向きに取り組んでいく企業とで、半分ずつぐらいというのが私の印象です。その中でも前向きに取り組んでいく企業のご担当者の方が、アイソスの購読者になってくださっています。
「良い製品を作る」から、「良い製品を良い材料・良い工程で作る」へ
―― そもそも、どのようなことがきっかけでこうした雑誌を作られたのでしょうか?
もともとISOマネージメントというのは、考え方自体が日本にはなく、海外から波及してきたものだったんですね。それまでは世に出てくる製品が機能的に良いものならそれでよかった。 製品が出てくるまでのプロセスについては、仕入れる会社に自分たちで行って監査すればよい、という程度の考えでした。製品開発プロセスを管理するための標準を作ろうという意識がなかったのですね。
当時、新聞記者だったので色々と企業に取材をしたりする中で、だんだんとISO規格による品質管理といった話が出てくるようになりました。 品質管理だけだと、さすがに市場がせまく、事業としては成り立たないのですが、2000年ぐらいになると、環境に関する考え方も議論されるようになり始めてきたので、ISOマネジメントの考え方が環境や労働安全などにも波及すれば、色々な分野・業界でも共通の課題が出るはずと思い、創刊を考えました。
創刊当時は借金をしたり、担当者の課題を足しげく聞いて回ったりと色々と苦労もしましたが・・・。 一時は挫折しそうなこともあったのですが、環境に関して同じような思いを持った方々に、助けていただき現在まで続けることができています。
若い人たちの環境へのモチベーションを盛り上げたい
―― 最後に、アイソスを通じて今後どのようなことを伝えていきたいでしょうか?
最近特に感じるのですが、社会企業家として活躍されている方は本当にパワーがすごいなと思います。よくこれで事業化しているなぁと感心するぐらい、面白いアイデアと実行力を持っていますよね。 企業の中でも、最近の若い人たちの環境に対するパワーや思いというのは、とても強いと感じています。前述の省エネの話でも、ただ節約しようというのではなく「環境に良いことをやろう」というと、たちまちモチベーションが上がります。 環境問題は、これから間違いなく社会生活の中で付き合っていくものなのですから、こうした若い方たちのパワーをもっと盛り上げていくようなことをしたいと思っています。
マネジメントシステムの専門月刊誌 アイソス(ISOS)最新号
出版社:システム規格社
発売日:2011年2月10日
判型:変形A4・108ページ
価格:本体1,400円+税
今月の特集のメインタイトルは、「事務局業務の棚卸し」。事務局業務に関して「引き継ぎ」をキーワードに棚卸しをしていただき、具体的にはどんな種類の業務があって、それらを行う際のポイントを挙げてもらった。今回ご登場いただくのはツワモノ4人の事務局員。文字量は気にせず書いていただきたいとお願いしたところ、長年の経験に基づく業務に対する持論から、蓄積した実務上のノウハウまで相当なボリュームの原稿をまとめていただけた。ぜひ全頁をじっくり読んでいただきたい。
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