インタビュー
株式会社ユーズ TOKYO油田営業企画室 室長 横澤 様東京で油田開発!?中小企業が仕掛ける社会貢献マーケティング
東京を「油田」ととらえ、使用済み天ぷら油を回収してバイオ燃料等に再資源化している株式会社ユーズの「TOKYO油田2017」プロジェクト。今回は、数々の企画でムーブメントを生み出している同社の横澤様に、そのビジネスモデルと、環境を切り口としたPR・広報のポイントをお伺いしました。
昨年、TOKYO油田の営業企画室室長に就任されました。その経緯と事業内容をお教えください。
2006年当時アースデイ東京に、自身のNPOで参加しました。使用済み食用油のリサイクル燃料を給油したバスに、CWニコル実行委員長と同乗したのが、TOKYO油田(ユーズ)との初遭遇でした。
CWニコルさんとユーズの染谷社長
私は、NPO法人を立ち上げたものの、助成金や寄付金に頼り活動を休止した苦い経験があったため、TOKYO油田はNPOやソーシャルビジネスの規範となり得るケースだと感じ、入社することになりました。
油の回収風景
弊社は、ご家庭や飲食店から使用済みの油をトラックで有料回収し、VDF(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)やハンドソープなどにリサイクルして販売しています。これが収益事業、つまり目的(または目標)を達成するための手段です。
また、現在弊社では、改正省エネ法対策の一環として
- VDF燃料としてリサイクル使用した場合のCO2排出量
- 1と同量の化石燃料(軽油)を使用した場合のCO2排出量
を算出し、(2)-(1)の削減分についてVDFを使ってくださるお客様へ証明書を発行しています。 上記に加え、バイオ・ディーゼル燃料精製時に排出されたCO2 のクレジット(排出権)については、経済産業省より選定されたソフト支援事業者を通じ、カーボンオフセットの認定証を発行しています。 昨年末、国内クレジット制度における排出削減量の方法論として「バイオ・ディーゼル燃料精製設備の導入及び化石燃料からバイオ・ディーゼル燃料への切り替え」が承認されたため、弊社では今後、国内クレジットの削減事業者として事業をシフトする方向です。 しかし、上記はあくまで収益のための事業であり、TOKYO油田の最終的な目的ではありません。
それでは、TOKYO油田2017の目的とは?
染谷が創業以来、一貫して掲げている理念が『循環型社会づくりの啓発・促進』です。これまでの消費者が商品やサービスを選ぶ基準は、「良いものを安く」でしたが、今後は第三の選択基準として、環境に良い商品・サービスか?を加えること。根本的な価値観・意識の改革が必要と考えています。
大学生が学園祭で油を収集
弊社は本年もアースデイ東京実行委員として、14万人規模の大イベントをCO2排出ゼロ発電にしようと計画しており、新企画であるキャンパス油田(=首都圏大学での学園祭で油をリサイクル・リレーする新企画)を呼びかけます。
また今週末、2月27日(日)の大地を守る会オーガニック・フェスタ(会場:大田区産業プラザPio)では子供たちと一緒にリサイクルキャンドルをつくります。次世代への環境教育は重要なミッションとして位置付けています。 収益事業を越えた理念があるため、大学生や市民が協力してくれるのだと思います。
企業の環境への取り組みについてアドバイスは?
環境への取り組みは自社だけでなく、NPOや社会的企業、地域の団体や会社とパートナーを組んでの社会貢献マーケティングをおすすめします。 これは、特定の商品・サービスをさまざまな社会貢献に結びつける手法です。 例えば、弊社が随時募集している「回収ステーション」は、ご家庭から出る油の「おまとめ役」を年会費1万円で運営していただくシステムです。無償ボランティアですが薬局やお寺、テニス・スクールなど多種多様な業種からパートナーになりたいと手が挙がり、イメージアップや集客増など新たなメリットを生み出しています。これも回収ステーションをやっていただく店舗や会社にとって、一種の社会貢献マーケティングです。 しかし弊社にとっては営利事業であり、今後は弊社の収益から非営利団体(活動)に寄付をする「循環型」の社会貢献マーケティング事業の構想もあります。 アースデイまで期間限定回収ステーションを都内各所に設置します。この機会に、社会貢献マーケティングのトライアルとしても、是非ご協力をお願いします。
【TOKYO油田関連のイベント紹介】
発動!「アースデイ東京2011」東京油田力・プレスカンファレンス- 日時:2月25日(金)15:45受付開始
- 会場:CAFE PARK 渋谷区恵比寿1-21-15 コンフォリア代官山B1
- 詳細:http://www.tokyoyuden.jp
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