Q&A
措置内容等報告書の提出先は、排出事業者が所在する管轄自治体と、処理業者が所在する自治体、どちらの都道府県知事ですか?
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措置内容等報告書について、どの自治体に提出するのか、迷われたことはないでしょうか。例えば、排出事業者の所在する都道府県と処理業者の所在する都道府県が異なる場合には、どちらに提出するのがよいのでしょうか。今回は、「措置内容等報告書の提出先は、どの自治体なのか」について解説します。
措置内容等報告書の詳細についてはこちら
提出先は"排出事業者の事業場の所在地を管轄する自治体の都道府県知事"
措置内容等報告書の提出先は、排出事業者の所在する自治体の都道府県知事(A県)です。排出事業者の所在する都道府県と処理業者の所在する都道府県が異なる場合であっても、処理業者の所在する都道府県(B県)に措置内容等報告書を提出する必要はありません。
ただし、実運用としては、自主的にB県を管轄する都道府県知事にも、当該地区の処理業者について措置内容等報告書を提出した旨を伝えておくことをおすすめします。B県の処置業者の措置に至った詳しい状況については、処理業者の管轄区域であるB県の方が把握しやすいと考えるためです。報告書の提出は必要ありませんが、B県にも伝えておくことで、何か処理業者とのトラブルが発生した際に、B県の行政とのやり取りがスムーズになります。
また、提出先が都道府県知事ではないケースがあります。排出事業者の所在地がいわゆる政令市(政令指定都市+中核市)に該当するケースです。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法)(第24条の2)においては「都道府県知事の権限に属する事務の一部は、(中略)政令で定める市の長が行うこととすることができる」とされています。自社の所在地が、政令市に該当する場合は、政令市の長に提出しましょう。
▼政令市の一覧についてはこちら
産業廃棄物の管轄自治体(政令市)の一覧表が、どこかにありませんか?
根拠となる廃棄物処理法の条文について
関連する廃棄物処理法の条文は次の通りです。
▼廃棄物処理法 施行規則第8条の29
「管理票交付者は、法第十二条の三第八項に規定するときは、生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるとともに、次の表の上欄の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる報告期限までに、様式第四号による報告書を都道府県知事に提出するものとする。」 |
施行規則第8条の29では、管理表交付者が措置内容等報告書を都道府県知事に提出することが書かれています。肝心のどの自治体の都道府県知事に提出するのかについては書かれていませんが、「管理表交付者」がこの条文の主語であり、施行規則第8条の27の管理票交付者の報告書の提出先が管理票交付者の所在地を管轄する都道府県知事に提出すると定められていることから、同様の提出先であると考えるのが自然かと思います。
実例としては、一部自治体の各Webサイトにて、下記のように明記されています。
▼北九州市
産業廃棄物管理票交付者及び電子マニフェスト登録事業者は、廃棄物処理法第12条の3第8項及び第12条の5第10項の規定により、以下の事由に該当した場合は、速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握し、生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるとともに、産業廃棄物を排出した事業場の所在地を管轄する都道府県知事等に措置内容等報告書を提出する必要があります。 |
出典:北九州市Webサイト「措置内容等報告書」について
▼静岡市
マニフェスト交付の日から90日(特別管理産業廃棄物の場合は60日)以内に「B2票」及び「D票」が返送されてこない場合、及びマニフェスト交付の日から180日以内に最終処分が終了した旨の「E票」が返送されてこない場合は、処理業者に問い合わせて処理の状況を把握するとともに、生活環境保全上の支障の除去または発生の防止のために必要な措置を講じた後、その講じた措置内容を管轄自治体(マニフェストを交付した事業場所在地が静岡市内である場合は静岡市)に報告する必要があります。 |
出典:静岡市Webサイト「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」について
以上です。排出事業者と処理業者の所在地が異なる場合は、上記のように対応しましょう。
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執筆者プロフィール(執筆時点)
松井 惇(まつい あつし)
アミタホールディングス株式会社
カンパニーデザイングループ カンパニーデザインチーム
東京都出身。大阪大学外国語学部外国語学科インドネシア語専攻卒業。 大学3年生の時にインドネシアに留学。現地で海洋プラスチックの問題を知り、そこから廃棄物に興味を持つ。 環境も社会も不安なく過ごせるようになったらと思いながらアミタで働いている。 毎週欠かさずに通う銭湯が元気の源。
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