Q&A
廃棄物管理業務のリモートワーク|マニフェスト交付を遠隔で行うにはどうしたらいいですか?
全国的に新型コロナウィルス感染拡大による影響でリモートワーク(在宅勤務)が奨励されています。今回は、廃棄物管理の現場において、マニフェストに関連する業務を遠隔で行う際には、どのような点に注意すべきなのか、アミタの見解をご紹介します。
※本記事は、排出事業者の対策についてご紹介しています 。
目次 Q. 自宅からマニフェストの交付を行うことはできますか? Q. 電子マニフェストを利用していますが、普段、受渡確認票を印刷して渡していました。リモートワークをしており、印刷ができないのですが、こちらはどうすればいいですか? Q. 自宅でマニフェストの返送管理を行うことはできますか? |
Q. 自宅からマニフェストの交付を行うことはできますか?
A. 交付担当が排出される廃棄物の現物を確認して、交付することが望ましいですが、遠隔でもマニフェストの交付は可能です。
<電子マニフェストの場合>
自宅からJWNET(電子マニフェストシステム)に接続できれば(インターネット環境があれば)、マニフェスト交付を行うことができます。事前の予約登録も可能です。
<紙マニフェストの場合>
紙媒体であるため、現場へ代筆を依頼したり、印刷を依頼したりする必要があります。
例)自宅でマニフェスト記載内容を作成し、メールで送付、現場にて代筆し交付
例)自宅からシステムを通じてマニフェスト伝票に印字し交付
いずれの場合も「数量」や「廃棄物の状態」が直接確認できない場合、記載ミスや搬出トラブルにもつながりかねません。電話等で現場の様子を尋ね、マニフェストを交付することもできますが、よくコミュニケーションを取ることが必要です。また、できる限り電子マニフェストを利用した方が、法定記載事項の記載漏れなどのリスクが少ないと考えられます。
▼マニフェストを遠隔で交付する際の注意点
実際に搬出される廃棄物とマニフェスト伝票記載内容が異なっていないか。
代筆の場合 :転記時に誤って記載していないか。 |
Q. 電子マニフェストを利用していますが、普段、受渡確認票を印刷して渡していました。リモートワークをしており、印刷ができないのですがこちらはどうすればいいですか?
A. 受渡確認票は、運搬車両への書面備え付けのためのものです。 自宅でデータを作成し、データの印刷を事業所に出勤しているどなたかにお願いすることも可能です。また、電子マニフェストを利用している場合には、これらは紙媒体である必要はありません。電子情報や連絡機器での代替が認められています。例えば、スマートフォンやタブレット等で運転手がPDFなどを表示できれば問題ありません。 印刷以外の方法としては、下記の運用方法が考えられます。
▼受渡確認票の運用方法
|
☞ 電子マニフェストの場合、受渡確認票は電子情報でも代替可能
Q. 自宅でマニフェストの返送管理、処理終了の期限管理を行うことはできますか?
A. マニフェストの種類によって管理方法は異なります。
<電子マニフェストの場合>
自宅からJWNET(電子マニフェストシステム)に接続できれば(インターネット環境があれば)、運搬・処分の終了報告を確認できます。
<紙マニフェストの場合>
紙媒体であり、通常は郵送で事業所へ届けられたものを確認します。自宅で確認するためには、下記の方法が考えられます。
例)マニフェスト伝票をPDF化しメールで受け取り
例)郵送先を自宅に変更して受け取り
ただし、紙マニフェストの場合は「5年間の保存義務」があるため、たとえPDFで確認をしたとしても、原本を確実に入手し、保管する必要があるので注意が必要です。 また、担当者の自宅に送付された場合、その担当者しか情報を把握できないことになるため、排出事業者としての情報把握という観点からはリスクがあります。電子マニフェストの場合は、システム上に記録されるため、紙マニフェストに比べ遠隔での確認が容易になります。
☞ 紙マニフェストの場合「5年間の保存義務」に注意
このように、リモートワーク(在宅勤務)の場合、マニフェストの交付、受渡確認票の運用、返送管理・処理終了期限管理などにおいては、紙マニフェストよりも電子マニフェストのほうが、合理的な運用が可能になると言えます。ただし、これらの業務は本来、許可証や契約書の有効期限や記載内容などと照合しながら実施されるべきものです。例えば、マニフェストで最終処分までの終了報告を受け取った際には、記載された最終処分先が契約書の記載内容と合致しているかの確認が必要です。
☞ マニフェストだけでなく、契約書や許可証のリモート管理にも注意
リモートワークで適切な廃棄物管理を実施するためには、マニフェストの電子化だけでなく、契約書や許可証についての電子化、およびマニフェストとの紐づけが可能なシステムの利用などの検討をおすすめします。また、一人の担当に業務を属人化させるのではなく、複数名で業務を回せる体制を整えておきましょう。
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