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産業廃棄物のよくある分別のトラブルと解決法とは? 【見直しチェックシート付】

Photo by Vivianne Lemay on Unsplash

安全管理の観点からも、排出事業者責任の観点からも、しっかりと分別回収・管理をすることは非常に重要です。しかし、分別が徹底できておらず、トラブルになったという事例も多くあります。そこで今回は、代表的なトラブル事例をもとに、その解決策をご紹介いたします。

よくある分別トラブル4選!

■ 人為的な異物混入 ⇒ 目立つ掲示や簡易なフルイの設置で解決!

コンテナやドラム缶、フレコン等を常時設置していると、空き缶、破けた手袋、壊れた安全メガネ等をそこに捨てられてしまうことがあります。悪気があってやっているわけではないケースがほとんどですので、わかりやすく目立つ掲示をするだけでも効果があります。

また、ホウキなどで掃いて廃棄物を回収する場合、落ち葉や枯れ枝、埃、ホウキの穂等の混入を嫌う処理会社もいます。細かいですが、例えば、ホームセンターで購入できる簡単なフルイを通すだけでも効果があります。

【関連記事】異物混入についての対策はこちら

■ 現場への分別指示が末端まで届かない ⇒ 荷姿に予め入れるものを表示しておくことで解決!

大規模な定期修理に伴って発生する廃棄物の場合、設備のコンクリートがらと設備内のスラッジが不分別にドラムやフレコンに詰められているケースが多々あります。多くの場合、作業を外注していた業者の作業員まで、注意が行き届いていないことが原因です。手間がかかっても小まめに注意喚起を行ったり、ドラム缶等に予め【スラッジ専用】【コンがら専用】などと記載しておくことも有効です。

■ 廃棄物置き場で他のものと混ざってしまう ⇒ 持込み時のルール設定で解決!

置き場管理が行き届いていないと、付近に置いてあった別の廃棄物や、いつの間にか置き場に放置された出自のわからない廃棄物を知らずに処分委託してしまうリスクがあります。処理委託先での事故にも繋がりますし、契約外のものや処分会社の許可外のものだった場合、廃棄物処理法違反となります。(無許可業者への委託の場合は、法人と個人に「5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金またはこの併科」が科せられる可能性があります。(法第12条第5項、第25条第1項第6号、第32条第1項2号参照)

場内の指定箇所に廃棄物を集約する場合、置き場に廃棄物を持ち込むにあたって、事前に「何を」「どこに」置くのか明確にし、これを張り紙や定期的な教育等で徹底する仕組みを導入することを強くおすすめいたします。その際、上記のようなリスクを関係者に共有し「なぜしっかりした管理が必要なのか」という理由から納得してもらうことが重要です。

■ 元から混合物として排出される ⇒ 設備投資で分別回収

汚泥と油、容器と内容物、大きいものと小さいもの、塊と粉体など、生産が行われた時点から、すでに混合物として排出されてしまうケースも多いかと思います。これらは個別に回収ができれば処分費用を抑えたり、場合によっては有価物として評価されたりすることもあります。例えば、下記の例が挙げられます。

パッケージングされた食品の廃棄物など

そのままだと焼却するしかないものでも、内容物と容器のプラを分別する破袋機を入れて、自社で分別することで処理費を大幅に下げることができます。廃プラスチック類は洗浄まで行うことで、場合によっては有価物として回収できることもあります。

設備投資にお金がかかる場合もありますが、有価物にならなかったとしても、事故の発生やコンプライアンス違反のリスクが低減することを踏まえ、長期的な視点で投資対効果を検討しましょう。

あらためて見直したい!適切な分別に向けたチェックシート

あらためて、下記の点を見直してみましょう。8のように処理会社とのコミュニケーションを取っておくことも重要な視点です。処理会社側から、分別方法について処理費のコストダウンにつながる提案を受けることができたり、安全に係る指摘があれば、事故発生のリスク低減にもなります。処理会社への現地確認は、このようなコミュニケーションの機会としても有効です。

No. 概要
1 保管場所は、整理整頓されていますか?
2 保管容器に、保管物の内容のラベル等が貼付されていますか?
3 保管場所の掲示の他に、図や写真などで分別の例が掲示されていますか?
4 分別に迷った場合の対応は決まっていますか?(相談先など)
5 分別が徹底されていない場合、注意を喚起するための通知ルールは社内に整備されていますか?
6 分別に関する勉強会や研修・情報提供の機会はありますか?
7 勉強会や研修では、運用ルールだけでなく、関連する法律の紹介や事故事例なども解説していますか?
8 既存の廃棄物を委託している処理会社と、分別ルールや荷姿に改善点がないか、相談していますか?

廃棄物を分別する意義とは?

上記の例を踏まえて、分別の意義は、以下の3点にまとめられると思います。

  1. 処理委託先からの返品の運賃負担がなくなる。
    =無駄な支出を予防できる。

  2. コストと環境負荷をかけて焼却処理することなく、再生利用・有効利用できるようになる。
    =処理費が安くなる。(一般的に)

  3. 処理委託するものをより詳細に、正確に把握することができる。
    =法令違反、事故など廃棄物管理に係るリスクを低減できる。

例えば、2に関しては、土嚢袋やビニール袋に入れた状態で荷姿に廃棄物を投入するケースがありますが、作業上、致し方ない場合を除き、ひと手間かけて中身のみ入れるようにすることで、破砕処理や焼却せずとも再資源化でき、処理費が抑えられる可能性があります。

アミタは100%マテリアルリサイクルを掲げて、様々な製造現場で排出される多種多様な廃棄物を扱っています。

分別して廃棄物処理費のコストダウンを図りたい、分別したいけれどどうやったらいいかわからない、分別後に有効活用できる方法があるかどうかわからない、といった悩みをお持ちの方は、是非、一度アミタまで御相談ください。

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執筆者プロフィール(執筆時点)

高瀬 晴太(たかせ はるた)
アミタ株式会社
地上資源マネジメントグループ 地上資源マネジメント東日本チーム

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