Q&A
磁性のある汚泥を国内で有価物化することはできますか?
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結論としては可能です。ただし、磁性があればどんな汚泥でも有価物化が可能という訳ではなく、様々な条件があります。中国の輸入規制に関連した情勢も含めて有価物化の条件を解説します。
そもそも磁性のある汚泥とは
磁性のある汚泥の呼称は複数あり、多くは「研磨汚泥」や「研磨スラッジ」と呼ばれています。(その他「切削汚泥」「切削スラッジ」などと呼ばれていることが多いです。)具体的には、金属部品等の研磨や切削工程の排水を脱水した後の汚泥の内、金属を含有しているもののことを呼びます。ここでは「研磨汚泥」に統一します。加工した金属の種類によってリサイクル先は異なり、銅やアルミといった非鉄金属が含まれている場合は国内のスクラップ会社や中間処理会社が有価物で買い取るケースが多いです。しかし、これまで研磨汚泥については、多くの企業が最終的に中国へ行きつくルートでリサイクルをしていました。
廃プラスチック類だけでなく、研磨汚泥も中国の輸入規制品目の中に入っています
2017年8月に中国が発表した資料によると、研磨汚泥を含む金属スクラップは同12月31日から輸入制限が始まり、2019年12月31日より輸入禁止になると謳われています。東南アジアの他国向けの輸出にシフトして受入を継続している処理会社も多いようですが、徐々に国内でも研磨汚泥の処理先が課題という声が増えています。さらに、東南アジアでも廃棄物の輸入規制の潮流が広がっており、輸出ルートは現状、リスクが高いと言わざるを得ません。一度、今現在委託中の研磨汚泥が、最終的にどこでリサイクルされているか確認しておくことをお勧めいたします。
参考:日本貿易振興機構(JETRO)Webサイト「貿易管理制度」
研磨汚泥の処理方法と有価物評価のためのポイント
セメント原料化のリサイクルを行っている処理会社に委託する企業も多いですが、実は研磨汚泥はセメント原料にとっての忌避成分が多く含まれていたり、磁性があると磁選機で回収されてしまい歩留りになるといった問題があります。今後リサイクル市場に研磨汚泥が溢れてきた時に、今委託している会社が受入できなくなる可能性も否定できません。しかし、条件によっては安定的に有価物として評価されるケースもあります。一般的に下記のような点がポイントとなります。
▼有価評価に向けて確認すべきポイント
- 油分
- 磁力
- 品位
- 含水率
- 異物混入の度合い
- 荷姿
- 数量
処理先によって設備や用途が異なるため、どのような条件が評価されやすいか一概には言えませんが、一般的に、異物が混入していないものや含水率の低いもの、油分の低いものが望ましいとされています。また、保管場所に余裕があり、一度にまとまった量を委託できる場合、高評価となることがあります。
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参考情報
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/cn/trade_02/pdfs/cn2B010_imp_item.pdf
「中国 貿易管理制度-輸入品目規制」の「2.輸入制限品目の管理」(P3~4)
(日本貿易振興機構 2018年6月29日更新)
執筆者プロフィール(執筆時点)
高瀬 晴太(たかせ はるた)
アミタ株式会社
環境戦略デザイングループ カスタマーホスピタリティ 東日本チーム
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