Q&A
RE100参加に向けた申請方法と8つの基準とは?
RE100は国際環境NGOの「The Climate Group」がCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)と共同で手掛けるイニシアチブで、企業の再エネ100%へのコミットメントと再エネ需要増加を目的としています。2018年9月現在、世界145の企業(日本企業は11社)が参加しています。RE100に参加するためには、参加を希望する旨と共に本稿でご紹介する8つの基準(Criteria)に適合することをRE100事務局にメールにて連絡し、事務局とのコミュニケーションのうえ審査を受ける必要があります。
RE100参加の基準
RE100に参加するためには、RE100が提示する以下の基準を満たす必要があります。8つの基準の内、すべての企業にあてはまる基準は下記の基準1~6になります。
▼RE100参加の基準
基準1:影響力がある企業であること |
以下の1つ以上にあてはまる必要があります。 ※解説:1-4があることで、1-1~1-3に当てはまらない企業であっても、条件をクリアできる可能性があります。 |
基準2:「すべての企業活動」において再生可能エネルギー(以下、再エネ)の100%利用を達成することに対して、公約する意志があること |
以下のいずれかにあてはまる必要があります。 |
基準3:基準2の「すべての企業活動」の定義は、GHGプロトコルに則ること |
基準2の「すべての企業活動」の対象範囲は下記となります。 |
基準4:参加企業の例外 |
企業はグループ単位で参加する必要がありますが、子会社の内、以下の両方を満たす場合は例外として認められます。 |
基準5: 期限を設けた達成のための戦略を持つこと |
再エネの100%利用達成に向けて、達成しなければならない最低限の期限として下記が定められています。 |
基準6:年次報告を行うこと |
企業は、再エネの戦略や進捗について毎年報告する必要があります。 |
基準7・基準8:発電事業や、再生可能電力設備の製造等を行う企業に関する条件 |
<詳細省略> |
出典:RE100Webサイト「RE100 JOINING CRITERIA」より、アミタ株式会社が作成
RE100の申請の流れ
実際の申請にあたっては、RE100参加申込書と上記の基準に関する自社の資料を、RE100事務局あてにメールで提出します(英語にて提出)。参加申込書のフォーマットは、RE100事務局に連絡して入手でき、基本的な会社情報や再エネ100%達成目標年、目標のマイルストーン等の情報を記載します。
RE100参加企業は、どのように再エネ100%利用を目指しているのか
RE100に参加している企業は、さまざまな再エネ調達方法を組み合わせてゴール達成を目指しています。The Climate Group によるRE100についての2018年報告書を見ると、参加企業が使用する再エネ量のうち、41%は小売電気事業者からの調達によって、40.4%が電力証書の購入によって調達されています(2016年実績値)。
ちなみに日本では2018年5月より非化石価値取引市場の取引が開始され注目が集まっていますが、アミタ株式会社のRE100事務局へのヒアリングによると、日本の非化石証書のように「再エネ源が個別に特定できない」証書の利用に対し、RE100は利用可否を明言していません(2018年9月現在)。
これらの可否は、おそらく、事務局とのコミュニケーションによって個別に判断されるものと推測できます。
再エネの調達方法や調達しやすさは、国や地域によっても異なります。また、2050年時点の技術やエネルギー価格を予測することも困難です。2050年や2040年時点で自社がどのような姿でありたいかというビジョンをつくり、現在の延長線上でのシナリオと比較したうえで、そのギャップを埋めるために現時点で考えられる戦略を検討する考え方が求められます。
参考情報
RE100Webサイト
The Climate Group発行:「RE100 Progress and Insights Report, January 2018」
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執筆者プロフィール
小峯 慎司(こみね しんじ)
アミタ株式会社
環境戦略デザイングループ 東日本チーム
グループ広報・マーケティング担当などを務めた後、現在は企業の持続可能性を高める環境戦略や業務支援を提供。リサイクル事業の立ち上げや海外バイオマスの大規模調達における合法性・持続可能性戦略の立案と実行、原料調達、水資源利用などのコンサルティングを手掛ける。
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