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産業廃棄物をいくつかの自治体をまたいで運搬する場合、通過する全ての自治体の許可を持つ運送会社への委託が必要ですか?

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通過するだけの場合、通過する自治体の許可は必要ありません(廃棄物処理法14条1項)。許可が必要となるのは、当該業を行おうとする区域であり、運搬のみを行う際は積卸しを行う区域に限ります。

参考情報
積替保管に関しては「積替保管を行うことになりました。排出事業者として気を付けるべき点や、積替保管を行わない従来の運用と異なる点はありますか?~前編」をご覧ください。
許可自治体が変更されたときの注意点は「都道府県、政令市、中核市・・・産業廃棄物の許可自治体が変更された時、担当者が気を付けないといけない2つのポイント」をご覧ください。

運搬のみを行う場合は、積卸しを行う区域の許可が必要

根拠条文は、以下になります。

<廃棄物処理法 14条1項>
産業廃棄物<中略>の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

これを図で示すと以下になります。

<例:A県からC県へ産業廃棄物を運搬する場合(運搬のみ)>
A県とC県の許可が必要となります。

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以下、間違いやすいポイントです。

  • 収集運搬会社の事業所がある自治体の許可は必要か?
    収集運搬会社の事業所がある自治体の許可は必ずしも必要ではありません。例えば、上図についてA県からC県の運搬を行う収集運搬会社の事務所が、B県にあったとしても、A県とC県の許可のみが必要であり、B県の許可は不要です。その自治体で業を行うか否かがポイントとなります。

積替保管を行う場合は、積替保管を行う区域の許可が必要

運搬以外の行為として積替保管があります。積替保管を行う場合は、収集運搬業の許可(積替保管あり)の取得が必要となります。根拠条文は、以下になります。

<廃棄物処理法 14条5項>
都道府県知事は、第一項の許可(注1)の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

一  その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。


注1...収集運搬業の許可


<廃棄物処理法 施行規則10条1項>(産業廃棄物収集運搬業の許可の基準)

ロ 積替施設を有する場合には、産業廃棄物が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないように必要な措置を講じた施設であること。

なお、産業廃棄物処分業の許可は、都道府県または廃棄物処理法で定められた市(政令指定都市・中核市以下、政令市)が許可権限を持っていますが、収集運搬業の許可については、2011年の4月1日から原則47都道府県に集約されています。つまり、政令市で業を行った場合でも、都道府県の許可を取得することになります。(ただし、政令市の区域内で積替え保管を行う場合と、都道府県内において1つの政令市のみで業を行う場合を除きます。)

許可を持っていない会社に委託した場合、処理委託違反になります。その場合、排出事業者が受ける罰則は、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこの併科です(廃棄物処理法25条) 。自社の産業廃棄物の運搬ルートと、委託先の会社の許可証を照らし合わせて、しっかりと確認しましょう。

関連情報

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