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富山物質循環フレームワークとはなんですか?

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2016年5月に開催されたG7伊勢志摩サミットに先立ち、富山県でG7環境大臣会合が実施されました。そこで話し合われた資源効率性・3Rに関して、G7が協力して取り組むことに合意した内容をまとめた枠組みが富山物質循環フレームワーク (以下、本枠組み)です。本枠組みは、共通ビジョンとG7各国の取り組みに関する3つの目標で構成されています。

資源効率性・3R推進に関するG7共通ビジョン

本枠組みでは、2008年のG8環境大臣会合で合意された「神戸3R行動計画」にあるような廃棄物の発生抑制や循環資源の適正管理といったライフサイクル下流の廃棄段階での取り組みだけでなく、ライフサイクル全体において資源効率性を向上させることが重要であるとして、以下のようなビジョンが示されています。

  • 我々の共通の目標は、関連する概念やアプローチを尊重しつつ、地球の環境容量内に収まるように天然資源の消費を削減し、再生材や再生可能資源の利用を促進することにより、ライフサイクル全体にわたりストック資源を含む資源が効率的かつ持続的に使われる社会を実現することである。
  • これはすべて、資源が繰り返し循環し、自然界への廃棄物の排出が最小化され、廃棄物の拡散を防ぎ、また、自然界における物質循環をかく乱せずに受容され得る程度に環境負荷が管理される社会を確立するためである。
  • この様な社会は、廃棄物や資源の問題への解決策をもたらすのみならず、雇用を生み、競争力を高め、グリーン成長を実現し得る、自然と調和した持続可能な低炭素社会をも実現するものである。

この資源を効率的に使う社会を実現するというビジョンは、本枠組みの前文に「持続可能な物質管理・循環型社会・循環経済の重要性に留意して」と書かれているように、EUが掲げる新しい循環型経済モデルであるサーキュラー・エコノミ ー(資源効率性を高めて循環型経済システムを実現するモデル)の考え方が背景にあると考えられます。本枠組み採択により、資源効率性向上に各国が協調して取り組んでいくことで、サプライチェーン全体での資源循環のしくみづくりや消費スタイルの変化などの新しいビジネスモデルへの転換が進んでいくものと思われます。

G7各国の取り組みに関する3つの目標

本枠組みでは、SDGsの達成 やパリ協定の発効も見据えて、G7で協調して取り組む3つの目標が具体例とともに掲げられています。

1. 資源効率性・3Rのための主導的な国際政策
  • 資源効率性・3Rと気候変動、有害物質、自然環境保全などの課題に関する政策を包括的に統合
  • 規制的手法に加えて、事業者による自主的な取り組みなどの活用
  • 資源の効率的かつ最大限の利用
  • 災害廃棄物の適正処理と再利用、災害に対して強靭な廃棄物処理施設の整備など
  • 産業や地域共生の取り組みとの連携、消費者対策
【具体例】
食品ロス・食品廃棄物に関して、SDGsを踏まえ、国内や地域での政策など廃棄量削減、有効利用に向けた取り組みを加速させる
2. グローバルな資源効率性・3Rの促進
  • 各国の事例を共有するための場であるG7アライアンスなどによる事例や技術、教訓の共有
  • 途上国の資源循環政策への支援
  • 巨大自然災害の被害国・地域の支援
  • サプライチェーン上流での再生可能資源の利用含むリユース、リサイクルの取り組みを奨励
【具体例】
電気電子廃棄物が適正に管理されるための国際的な協調行動の強化、資源循環に寄与する有害廃棄物の適正な管理能力を持たない国から管理能力を持つ国への有害廃棄物の移動
3. 着実かつ透明性のあるフォローアップ

国内指標の検討
ワークショップなどを通じた本枠組みのフォローアップ

本枠組み採択を受け、国内では2018年改定予定の循環型社会形成促進基本計画へのビジョン・目標の反映、リデュース・リユース促進、食品廃棄物対策などが進められると考えられています 。目標に挙げられている行動のうち、調達から廃棄までのライフサイクル全体での環境影響の評価、持続可能な資源調達、産業の上流・下流が連携した循環型のサプライチェーン構築、製品のライフサイクルの各段階でのエコデザインの実施などは、企業活動と直接的に関わる行動であり、産業界・企業に対して取り組みが求められる可能性は高いと思われます。これらの取り組みを企業価値の向上につなげるためにも戦略的に進めていく必要があるといえます。

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