Q&A
産業廃棄物の「動物系固形不要物」「動物のふん尿・動物の死体」とは?
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動物系固形不要物とは「と畜場」(※1)で「と畜」(※2)、又は解体した獣畜及び食鳥処理場で処理した食鳥に係る固形状の不要物です。また、動物のふん尿・死体とは、畜産農業から排出される動物のふん尿・死体のことです。
(※1) と畜場...食用に供する目的で獣畜をとさつし、又は解体するために設置された施設をいう。(昭和28年8月1日法律第114号 と畜場法参照)
(※2) と畜...食肉や皮革等を得るために家畜等の動物を解体すること。(広辞苑第五版参照)
動物系固形不要物のポイント
動物系固形不要物は、紙くずや木くずのように業種限定があります。判断のポイントは、発生元がと畜場、又は食鳥処理場であるかどうかです。 具体的には、と畜や解体、食鳥処理などの過程で発生した皮、骨、内臓、羽根といったものが、動物系固形不要物に該当します。固形物が対象ですので、それらの過程で発生した血液は動物系固形不要物ではなく、廃酸・廃アルカリに該当します。
ちなみに、食品加工工場などから発生する動物の固形不要物は動植物性残さに分類されるため、注意が必要です。
■主要な処理方法
過去には、牛の固形不要物の多くは肉骨粉に加工後、飼料としてリサイクルされていましたが、BSE(牛海綿状脳症)の問題により、2001年10月より肉骨粉の製造・販売が一時停止となっています。そのため現在では、焼却処理後、焼却灰を埋め立て、またはセメント・路盤材などの原料とする処理が一般的なようです。
動物のふん尿・死体のポイント
こちらも動物系固形不要物と同様に業種限定があり、畜産農業から発生する、牛、豚、鳥などのふん尿・死体が産業廃棄物に該当します。ちなみに、そうしたふん尿を排水処理し、その後に発生した泥状物は産業廃棄物の汚泥に該当するので、注意が必要です。
■主要な処理方法
動物のふん尿は、主に肥料として再生利用されています。家畜の排せつ物には栄養素が多く含まれるため、貴重な資源として扱われています。近年ではバイオマス資源としても期待されており、動物のふん尿の総量はバイオマス資源の総量の約4分の1にあたります。2015年5月には、農林水産省より「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」が発表され、今後、動物のふん尿の更なる有効利用拡大が期待されています。一方、動物の死体は、動物系固形不要物と同様に焼却処理されるのが一般的です。
よくあるQ&A(産業廃棄物と一般廃棄物のどちらに該当するか)
Q. 製薬会社の研究施設の動物実験で発生した、マウスやモルモット等の死体は?
A. こちらは畜産農業以外の事業活動から発生しているため、産業廃棄物ではなく、一般廃棄物としての扱いになります。ただし、その動物の死体に感染性の恐れがある場合は特別管理産業廃棄物に該当する場合もあります。
Q. 牧場で急死した牛、豚の死体は?
A. 一部の例外を除き「動物の死体」の業種限定である畜産農業の事業に伴って発生するため、産業廃棄物に該当します。競馬などに専ら使用する目的で飼養しているなど、畜産農業に該当しない場合は一般廃棄物に該当します。
Q. ペットショップや動物園、動物病院などで発生した動物のふん尿は?
A. 動物のふん尿は畜産農業から排出されたものに限られるため、この場合は一般廃棄物に該当します。ただし、自治体によってはペットシーツが廃プラに該当する場合もあるので、処理をする際は自治体に問い合わせてみましょう。
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