Q&A
排出事業者が産業廃棄物を保管する場合の保管量や保管期間についての定めはありますか?
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処分業者まで運搬する前の保管であれば、法律上の定めはありません。
産業廃棄物の保管については、
- 産業廃棄物が運搬されるまでの間の保管に関する基準
- 収集運搬に伴う積替え保管に関する基準
- 処分のための保管に関する基準
があります。2. 3.については保管量の上限や保管期間についての定めがあるため、注意が必要です。実際の条文(※1)を見てみましょう。
(※1)条文引用: 廃棄物の処理及び清掃に関する法律, 法律施行令, 法律施行規則 より
積替え保管に関する基準
- 当該保管における一日当たりの平均的な搬出量に七を乗じて得られる数量を超えないようにすること。(施行令第六条第一項ホ)
- あらかじめ、積替えを行った後の運搬先が定められていること。
- 搬入された産業廃棄物の性状が変化しないうちに搬出すること。(施行規則第一条四第三号)
処分のための保管に関する基準
- 保管する産業廃棄物の数量が、当該産業廃棄物に係わる処理施設の一日当たりの処理能力に相当する数量に十四を乗じて得られる数量を超えないようにすること。(施行令第六条第二項ロ(3))
- 当該産業廃棄物の処理施設において、適正な処分又は再生を行うためにやむを得ないと認められる期間とする。(施行規則第七条六)
排出事業者が行う保管であっても、その産業廃棄物を自社処分する場合は、処分のための保管に該当し、保管量や保管期間を考慮しなければなりません。また、保管場所の掲示版に数量の上限を記載する必要がある点にも注意が必要です。
(これらの基準には、船舶で運搬する場合や処理施設の点検時などの例外規定がありますので、一度条文を確認しておくようにしましょう)
法令に条文として定めがあるかないか、という視点で整理すると上記のとおりですが、排出事業者の責任として、保管量や保管期間の適切性には常に気配りが必要です。腐敗による悪臭、鼠や虫などの発生、容器の劣化など、長期保管によって生じる支障はもちろんのこと、木材チップやシュレッダーダストなどが長期に堆積されることで発熱・発火するといった事故も、決して珍しいことではありません。廃棄物の保管に際しての大前提は「生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。(法第十二条第二項)」ということであることを再確認しておきましょう。
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執筆者プロフィール
成田 晴香 (なりた はるか)
アミタホールディングス株式会社
経営戦略グループ マーケティングチーム
神奈川出身。事業を通じ、あらゆる社会課題の解決を目指すアミタに魅力を感じ、入社。現在は、非対面の営業チームであるカスタマーリレーションチームにて、電話やウェブ、メールマガジンを通じて廃棄物および環境管理担当者に業務支援や教育ツールの案内業務を行っている
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