Q&A
廃棄物管理業務のアウトソーシング検討時によくある質問・導入の効果について
複雑な廃棄物処理法への対応、増え続ける環境管理業務、また働き手の不足等により、安定的な廃棄物管理体制を維持するために、アウトソーシングを検討する企業が増えています。
本記事では、アミタが提供する廃棄物管理業務のアウトソーシングサービスの問い合わせ時によくいただく質問や、導入後のメリットについて紹介します。
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廃棄物管理業務の人手や知識の不足から業務改善方法を検討されている方には、アウトソーシングが有効な手段です。アミタは、廃棄物管理のプロが業務のサポートを行うことで企業価値の向上をご提案します。
導入検討時によくある質問
- そもそも廃棄物管理を他社に委託してよいのか
廃棄物管理は廃棄物処理法による排出事業者責任や罰則があるため第三者に任せられない、と考えられているケースがあります。排出事業者が行う業務を第三者にアウトソーシングすることは、廃棄物処理法に違反しません。委託する内容は、廃棄物の処理を物理的に伴わないのであれば、排出事業者が自由に決めることができます。
ただしその場合でも、最終的な排出事業者責任は自社にあります。業務の丸投げをするのではなく、信頼のおける外部パートナーと共に協力しながら最適な管理体制を構築することが重要です。 - 委託先とのコミュニケーションが少なくなる?
処理委託先との関係が希薄になることを懸念されるケースがあります。たしかに、事故や違反事例を紐解くと排出事業者と処理会社のコミュニケーション不足が起因しているケースも多々見られます。しかし、廃棄物管理の専門家に実務をアウトソーシングすることで、処理委託先とのコミュニケーションの"質"が向上し、結果的に導入前より関係性が良くなるケースが多くあります。
たとえば、新たな廃棄物の処理委託を検討する場合に、これまで多忙のためWDS(廃棄物データシート)を作成せずに、口頭説明とサンプル提供のみで検討依頼していた企業がアウトソーシングを導入した結果、廃棄物情報を書面化でき、適正な情報を処理委託会社に提供することができた事例があります。委託先の適切な検討と評価をするためにアウトソーシング会社が排出事業者に代わって廃棄物情報を整理・提供することで、検討のフローがスムーズになり、委託後のトラブル抑制にもつながったという事例もあります。
- ノウハウが蓄積されない?
アウトソーシングをすると、自社で行っていた廃棄物管理業務のノウハウが残らないのではと心配されるケースも見られます。
アウトソーシングにも様々な形態がありますが、アミタが提供するサステナブルBPOでは、廃棄物に関するデータや資料をシステム上で管理・保存し、導入企業の担当者には常に情報にアクセスしていただけます。
また、定期的な連絡協議会での意見交換により、ノウハウや情報は常に共有され、担当者の知識レベルの維持に繋がります。さらに必要に応じて廃棄物管理の研修を実施することで社内全体のコンプライアンス意識を維持・向上させることも可能です。
導入の効果
廃棄物管理のアウトソーシングを活用した際の効果を、実例をもとに紹介します。
- 業務改善、品質向上
廃棄物管理業務は、置場の見回り等の実務、処理委託契約書や委託先の許可証、マニフェスト伝票といった文書の管理から委託先とのコミュニケーション、日々の引取り手配や実績管理等、多岐に渡ります。
通常排出事業者が自ら廃棄物管理を行う場合は、社内で上記のような役割を分担し、担当者がそれぞれ自分の業務を行いますが、実施した手続きの内容が互いに共有されることは少ないのが実態です。また、工場や事務所ごとに各担当者の裁量に任せた異なる運用がなされているというケースも多くみられます。
アウトソーシングを導入した場合、業務はあらかじめ定めた手順に基づいて進められ、その実施状況はメールやシステムを通じて関係者間で随時共有がなされます。これにより、属人的な情報管理にならずに自社の廃棄物管理の状況が常に可視化され、離れた拠点でも確認ができます。たとえば、各廃棄物の配車のスケジュール、実績数量、新たな廃棄物の検討状況の進捗、マニフェストの返送状況や、契約書・許可証の期限管理など、多くの情報をインターネット経由で常時確認できます。また、これまで既存の委託会社への問い合わせのみで処理方法の検討をしていた場合は、アウトソーシング会社のネットワークを活用することで、新たな委託先候補を見つけるチャンスが増え、リサイクルの質の向上やコスト削減につながることもあります。
- 人手不足対策、ナレッジ継承
複雑かつ細かい廃棄物管理業務の引き継ぎには時間と手間がかかります。しかし事務業務をアウトソーシングしている場合は、手順やツールが標準化されており、把握すべきポイントが絞られているため、引き継ぎする担当者の負担は大幅に低減します。
さらに着任して間もない担当者の場合は、アウトソーシング会社が全体像の把握から管理プロセスの構築までを一緒に考え、実施することにより、不安と非効率性の解消に役立ちます。
また、長年環境管理業務を支えてきた担当者が退職した場合は、ナレッジの継承が失われる恐れがありますが、アウトソーシングで全拠点の管理方法を統一し、活用方法を教育することで一定レベルのナレッジを定着・継承させることが可能です。 - コンプライアンス遵守
これまで例として挙げた、業務改善、人手不足対策とナレッジ継承が結果としてコンプライアンスの遵守につながります。
さらに複雑な法規制・頻繁な法改正にも、廃棄物管理の専門家が対応することで、大きなコンプライアンス向上が期待できます。
企業価値の向上
守りの廃棄物管理から攻めの環境管理へ
昨今、これまで廃棄物として出していたものの有価物化や、処理方法の見直し(資源化)、またサプライチェーン排出量算定のために廃棄物データからCO2排出量の算出をする等、SDGsへの取り組みやESG品質への対応のために企業の廃棄物管理担当者が担う業務は増えています。廃棄物管理に関する事務的な業務をアウトソーシングし、自らは意思決定(指示・判断・承認)に特化することで、上記のような業務に時間を回すことが可能になります。企業としてより戦略的な活動へリソースを投入し、企業競争力を強化しましょう。
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執筆者プロフィール(執筆時点)
田中 健一 (たなか けんいち)
アミタ株式会社
環境戦略支援グループ ワークデザインチーム チームリーダー
企業本社のコンサルティング、工場のリサイクル営業、社内の新規事業開発、経理業務などを経験。廃棄物業界だけでなく、企業の内面的な管理業務の課題にも精通。現在は経験を活かし、業務の標準化、非生産的業務の外注などの廃棄物管理業務の合理化を支援。
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