Q&A
生産現場でCSRを広めていくにはどうすればよいですか?
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生産現場でCSRを広めていくコツは3つあります。
- 既存実施されている「守りのCSR」を発見すること
- 地域に根付いた「攻めのCSR」を実施すること
- CSR活動を表現豊かに外部発信すること
この3つのコツをうまく統合させて、実施していくことが生産現場でCSRを広めていく方法だと考えます。今回は、この3つに沿って解説していきます。
「守り・攻めのCSR」に関しては下記記事をご参考ください。
今日からできる!社員を巻き込むCSR活動(その3)「攻め」と「守り」のCSRの違い
生産現場はCSR活動と無縁ではなく、見えていないだけ
そもそもCSRとはなんでしょうか。CSRとは、自社の利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響を考え、責任を持ち、あらゆるステークホルダーからの要求に対して適切な意思決定をすることをいいます。
よくCSR活動となると、生産現場では担当部署以外では自分事ではないと思われがちですが、実は生産現場でCSR活動と認識せずに実施されていることが多くあります。
例えば、生産時に使う水の排水処理や廃棄物などのリサイクル、MSDSの活用による化学物質の管理やPRTR制度などの遵守等です。CSRご担当者はこうした、いわゆる「守りのCSR」をうまく発見し、社員に自覚を持ってもらうことが大事です。
攻めのCSRは小さくとも実施する
それでは生産現場で実施でき、社員を巻き込んでいく「攻めのCSR」はどうでしょうか?工場はその地域の雇用を生み出し、更に住民に親しまれてきたことを考えると、その地域の歴史や文化に貢献してきたとも言えますので、より地域と一体となった取り組みを実施していくことをお勧めします。
ただし、取り組みを考える上では
- 中長期で利益に繋がるCSR活動にするために目的・目標を明確に定める
- できるだけ多くの方にCSR活動に触れてもらえるような施策を考える
- 楽しく毎年継続できるように多くの費用がかかるものは避ける
といった要素を踏まえて企画しないと、継続的な実施が難しくなりますので注意してください。良い仕組みを築くことができれば、地域だけでなく自社の社員にも喜ばれる好循環な活動が生まれます。
分かりやすい実施例でいえば、地域に特有のお祭り・イベント等に今までより力を入れてみてはどうでしょうか?お祭りはその地域の伝統や文化の保全に繋がるため、工場にとっては地域貢献できる絶好の機会になることでしょう。また、地域の子供たち向けの出前授業もいいですし、清掃活動はもちろん、その土地にだけ生息する生物や植物の保護活動等に積極的に取り組むのもよいと思います。
「企業としてこれをするべきだ!」「企業だからこれをしなくてはいけない」といった肩肘を張った考え方でなく、周りの方々が自然と存在価値が認めてくれることを、有志で集まって小さくても実施していきましょう。
CSR活動をうまく表現することで好循環が生まれる
生産現場で働かれている方はよくご存じの、環境マネジメントシステムのISO14001は、2015年に改正を予定しています。その改正内容は、今までは「外部コミュニケーション」だけであったのに加えて「環境影響情報の外部発信」の要件が追加される予定です。
ISO14001の「情報発信」も意識しつつ、周りを巻き込んでCSR活動の報告、発信もすることが重要です。
またマーケティング用語でAIDAS(注意・興味・関心・欲求・行動・満足)の法則というものがありますが、この法則を意識してCSR活動を展開するのも一つだと思います。
改めて社内に眠るCSR活動の発掘、地域でのCSR活動の計画、発信方法の3つを考えて展開してみてはどうでしょうか。
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現在、環境新聞で「CSRの光と影」を連載、環境省「活かそう資源プロジェクト」など官公庁や企業などのコミュニケーション支援実績多数。決して、アカデミックな内容に偏るわけではなく、他社のCSR活動を支援してきた経験や実績に裏付けされた現場に直結する内容としてご好評いただいています。
執筆者プロフィール
猪又 陽一
アミタ株式会社
環境戦略支援グループ CSRプロデューサー
早稲田大学理工学部卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社。理科教材やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て株式会社リクルートエージェントに。インターネット転職市場の新規事業を軌道に乗せた後アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究に従事。環境省「活かそう資源プロジェクト」メンバー。GC-JNの分科会幹事を歴任。現在、CSRレポート比較サイト「CSR JAPAN」をプロデュース。企業、大学などで講師やファシリテーターなど経験多数。2010年企業ウェブ・グランプリBtoB部門「おしえて!アミタさん」受賞。学生へのCSRレポート普及などのプロボノとしても活躍。
Twitter:http://twitter.com/inoyoko1226
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