Q&A
自社らしいCSRのテーマは
どうやって定めたらよいでしょうか
拠点のある「地域」と、会社が属する「業界」を組み合わせて考えると、自社ならではのテーマを導き出すヒントが出てくるかもしれません。
中小企業がCSRを捉える上で、自社を育ててくれた地域への恩返しは、まず考えられる要素だと思います。千葉県に所在し、上場企業のIR(Investor Relation)活動支援を手掛けている当社を事例としてあげると「千葉県内のIRの活性化」をテーマとして導き出しました。
上場企業は都内に集中しているのは事実である一方、千葉県内にも素晴らしい企業が数多くあります。地元企業を地元投資家が支え、その企業活動が地域をさらに活性化する、こうした流れを生む上で、当社の事業を通じてできること、貢献できることは確実にあると考えているからです。
近年、CSRから発展し、事業を通じて社会的課題を解決して自社の成長にもつなげるCSV(Creating Shared Value)という考え方が注目されています。社会的課題というと、遠い世界の飢餓や貧困、環境破壊が真っ先に浮かびますが、身近なところにも課題はあります。
取り組むべき社会的課題は企業によって異なり、正解はありません。こうした課題を考える上で「地域」と「業界」の観点でまず考えてみると、テーマ選定が見えてくるかもしれません。400万を超える日本の中小企業が、それぞれの社会的課題に向き合えば、日本を活性化させる大きな力になるのではないでしょうか。
執筆者プロフィール
多田 尋一
株式会社ブレインネットワーク
プロジェクトマネージャー
地方新聞社の経済記者を経て、株式会社ブレインネットワークに入社。上場企業のアニュアルレポートおよび会社案内、CSRレポートなどの企画・制作支援に従事している。また、同社が2010年に国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名後、2011年にUNGCのジャパン・ネットワークにて「中小・中堅規模の団体のためのCSR活動研究分科会」を立ち上げ、現在まで幹事を担当。中小企業がCSRに取り組む意義及びメリット、レポーティングの進め方などについて有識者を招きながら議論する場をコーディネートしている。
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