Q&A
CSRが取引先選定に影響するって本当?
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はい、法人・個人顧客に関わらずCSR活動はお客様の評価に影響します。また、CSR調達(注1)やサプライマネージメントに対する要請が強よくなるにつれて、法人顧客はCSRを評価項目に入れてきます。
CSR調達の推進によりCSR活動は取引先選定に影響
一般的にCSRに関連した情報発信は、主に個人消費者に対するものが目立つため、法人顧客からの評価には影響がないイメージを持たれる方が多いですが、実は既にCSRの取り組みが法人顧客の取引先選定にも大きな影響を及ぼしています。
過去、自社の取引先が社会的責任を果たしていなかったことにより、不買運動や組織の信頼失墜が起きた事例があります。その影響もあってか、取引先のCSRにも考慮して調達を行うCSR調達が、グローバル企業を中心に進められるようになりました。
2010年のISO26000発行で、社会的責任は組織外であっても、影響力を与えられる限りはその対象になり得るという考え方が明確になり、今後この流れはより強く、かつ広範囲に渡ると想定されます。
具体的には、ご担当者様に取引先から依頼されるCSRや環境に対するアンケートがそれに当たります。廃棄物管理業務の現地確認も、取引先へのCSR調査と捉えられます。CSRの取り組みが進んでいる企業ほど、取引先のCSRの状況をチェックする取り組みを始めており、その結果は調達先選定に影響します。
結果として流通の川上に対しても同様の動きが加速され、連鎖的にCSRの取り組みが調達先選定に影響を及ぼすように考えられているのがCSR調達の特徴の1つです。 (Photo by humanoid23.Some rights reserved)
CSRに関するアンケートが来た時の注意点
社内にCSRレポートなどの公式情報がない場合は、一度CSRや環境の管轄となる部門に問い合わせて、組織としての正式な見解を提出する必要があるでしょう。
逆にCSRレポートなどを作成していない企業担当者様は、現場担当者様が自己見解によって回答していないかを確認し、一旦自部署で取りまとめることや回答に必要な情報を関係各所に依頼して集める必要があるでしょう。
自社でCSRレポートや環境報告書が発行されている場合は、それに即した回答やレポートそのものを提出することで対応ができることもあります。日本でCSRレポートや環境報告書が作成されるようになった理由の1つは取引先への回答を効率的かつ正確に行うためといえます。 (Photo by zimpenfish.Some rights reserved)
今後進むと見られるCSR調達
経団連の調査(注2)によると、CSR調達方針を「調達ガイドラインとして明文化している企業」は65%「契約条項に盛り込んでいる」企業が39%という結果が出ています。
また、社会的責任に対する認証規格を進める国や組織も世界では増えてきており、世界的にCSR調達が進むことは間違いないでしょう。その場合、自社が海外取り引きをしていなくても、国内の取引先からCSRアンケートを受けるケースは増えてきます。今後は、社内情報の収集や不十分と思われる分野の取り組み強化は、お客様の評価により密接に影響してくるはずです。
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執筆者プロフィール
蝦名 裕一郎
アミタホールディングス株式会社
経営統括グループ 共感資本チーム
アミタ株式会社に入社後、コンサルティング部門を経て、企業の環境教育活動のプロデュース、省庁との地域活性化支援事業の運営等に携わる。 ソーシャルビジネスに関する新規事業部門を経て、現在は弊社CSRコンサルタントとして各種セミナーの講師、企業へのコンサルティング業務を担当。
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