Q&A
廃棄物を有償評価する会社が現れました。依頼検討の際の注意点はなんですか?
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廃棄物が有償評価となることはコスト削減にもつながりますし、廃棄物が廃棄物でなく原燃料になったということで、循環型社会が推進されていくために、とても素晴らしいことです。技術の進歩、経済状況の変化など、様々な要因からかつて廃棄物だったものが有償評価されることは多々あると思います。
しかし、排出事業者から見てリスクが伴う場合もあります。取引開始前の注意点をまとめています。
継続性・安定性に問題はないか?
有償評価するのですから、買取価格に利益を追加して販売できなければ成立しません。
- 構内に過剰な在庫がないか?
過剰な在庫は販売先の需要が不安定だったり、販売先が不明確であったりします。有償で廃棄物を集めて、膨大な在庫を抱えて倒産したケースも過去に発生しています。
- 対策案
- 契約内容に引き取り義務や緊急時の対応など、必要事項を盛り込んでお互いの共通認識を持っておくことが重要です。
- また、急に引き取り量が減るというようなこともあるかもしれません。廃棄物として処理するルートを危機回避の対策として残しておくのも良いでしょう。
新しい取り組みの場合、価格の判断は難しいでしょう。しかし、排出事業者から有償評価する会社への運賃などは大方相場があり、先方にかかる原価などから有償評価価格が妥当かどうかを見極めることが大切です。有償評価だからといって、詳細を検証せず契約すると思わぬリスクになってしまうことも考えられます。
お互いの共存共栄を
ほとんどの廃棄物はリサイクルできると言えるほど、様々な技術は日々向上しています。課題の多くは事業継続性(経済面)です。事業継続性を考慮すると廃棄物の有償評価は難しく、日本国内で最も多くの廃棄物をリサイクルしているセメントへリサイクルですら、資源加工のために処理費(再資源化加工費)をもらってリサイクルしています。
有償評価するパートナーが見つかれば大歓迎ですが、注意点も頭に入れて状況判断を的確に行い、お互いの利益を生み続ける関係を構築できるようにしていきたいものですね。
執筆者プロフィール
中嶋 太(なかじま ふとし)
アミタ株式会社 業務管理部 主事
アミタで再資源化リサイクル営業を10年以上行い、現在は『安全なリサイクルは安全な保管・運搬がなければ成り立たない』ということを広く浸透させるため、社内外で実務に関する指導・教育にあたる。
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