Q&A
大気汚染防止法など公害防止に関する法令違反が増えていますが、改めて自社で確認すべきポイントはありますか?
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平成19年に、それまでに相次いで表面化した大気汚染防止法や水質汚濁防止法の違反、数値改ざん事案を受けて、経済産業省、環境省で有識者による委員会が開かれました。
原因の究明と今後の対策が検討され「事業者向け公害防止ガイドライン」などが策定されています。
有識者委員会で作成された「公害防止に関する環境管理の在り方」に関する報告書では、環境管理体制の課題として、
(1)経営層から工場現場に至る公害防止関連業務に対する重要性の認識の低下
(2)工場における環境法令、公害防止協定に対する重要性の認識の低下
(3)地方自治体・地域住民とのコミュニケーション不足
(4)公害防止に関する環境管理体制(組織の構築)の問題
(5)公害防止に関する環境管理体制(予防的対応)の問題
(6)公害防止に関する環境管理体制(危機管理対応)の問題
(7)人材の教育・育成に関わる問題
(8)公害防止設備等の問題
が挙げられています。
特に(1)と(2)では関係者の認識不足が指摘されており、これがこの問題の根本的な課題であると思われます。
この報告書やガイドラインを受けて、各社で環境管理体制の再構築をすることが期待さましたが、平成23年2月から3月にかけて、これも複数の大企業による大気汚染防止法違反が発覚しました。
施設設置の未届け、ばいじんの未測定、虚偽記載など、単なるミスとは考えにくく、先に提示された課題が解決されていないことが明らかになりました。
震災の影に隠れてしまいましたが、環境省から「大気汚染防止法の遵守の徹底について(お知らせ)」や「警告書の発出」という形で再度の徹底が促されたところです。
環境管理の8つの確認ポイント
ガイドラインでは、環境管理体制を構築するため、以下の8つの確認ポイントが提示されています。公害防止対策の重要性の認識は当然のことながら、適切な組織、チェック体制を構築し、社員を適切に育成・教育することが重要であることがわかります。- まずは公害防止対策の重要性を認識していますか
- 法令や制度について、正しい知識を全社員に徹底していますか
- 自治体や地域住民とのコミュニケーションはとれていますか
- 公害防止対策に関わる人員配置に無理がないですか
- 現場と環境管理者の間で報告およびチェック機能は働いてますか
- 異常発生時の連絡体制、処理体制などの危機管理体制はできていますか
- 公害防止管理者の育成やコンプライアンス教育はできていますか
- 公害防止設備や測定機器の老朽化対策やメンテナンスは十分ですか
環境管理・環境関連法への理解・周知が必要
公害防止管理者を中心とした組織運用が前提ですが、資格を持っていない関係者による多重的なチェックが必要とされています。つまり、実務の中心を担う担当者だけでなくその上長、管理者も基本的な知識を持っていることが望まれるのです。新任担当者に対しても、公害防止管理者の資格を取るまでの期間に基本的な知識を身につけておく必要があります。
また、本社などの管理部門においても公害防止管理者のような知識は不要でも、広く環境関連法の基本的な理解をしていることが望ましいのは言うまでもありません。
必要な知識と教育対象
- 専門知識が必要:公害防止管理者、内部環境監査員
- 環境関連法の幅広い知識が必要:本社環境管理部門、事業所環境管理部門の責任者、事業所新任担当者
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