コラム
生駒市実証実験レポート|地域の課題をトータルで解決する「MEGURU STATION®」地域の課題をトータルで解決する「MEGURU STATION®」
アミタ株式会社は、奈良県生駒市の「日常の『ごみ出し』を活用した地域コミュニティ向上モデル事業」を受託し、NECソリューションイノベータ株式会社と共に、同市で2019年12月から2020年2月にかけて実証実験を行いました。本実証実験は、ごみ出しという日常行為を切り口として未利用資源の利活用とコミュニティ基盤を形成することによる地域課題の予防・解決を目指して、2018年に宮城県南三陸町にて行った「MEGURU STATION®」の実験結果を基に、新たに生駒市の状況などを踏まえてブラッシュアップしたものです。今回は生駒市で行った「MEGURU STATION®」の実証実験についてレポートします。
※当社ではICTを活用したポイント交換や地域内の関係性を創出する各種機能を併設した資源循環の拠点を「MEGURU STATION®」と名付けています。
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背景となる生駒市の「自治体3.0」
生駒市は、奈良県北西部に位置する人口約12万人の都市です。内閣府の「SDGs未来都市」※1 として選定されると共に、市民による主体的な価値創造・まちづくり「自治体3.0」※2 を標榜し、まちづくり・コミュニティ活動が活発な地域です。2019年11月には「ゼロカーボンシティ」を標榜、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた取組を進めている都市です。市民活動が非常に盛んで、住民主体の「いきいき百歳体操」は市内約80か所で実施されている地域です。(図 自治体3.0のまちづくり 生駒市提供)
一方で、今後は国内の多くの自治体と同様、少子化・高齢化による人口減少や社会保障費の増大、地域コミュニティにおける人間関係の希薄化が進行するといったリスクを抱えています。
今回ご紹介する「日常の『ごみ出し』を活用した地域コミュニティ向上モデル事業」は、生駒市が取り組む自治体3.0のまちづくりの次なる一歩として「ごみ出し」というすべての人にとっての日常的行為を切り口に、多様な人々が集う拠点(ステーション)を市民と共に展開し、全市民が「自然に・楽しく・当事者として」参画・協働できる持続可能なまちづくりを目指した実証実験です。市内の2つの地域で、それぞれ開設頻度・時間等の条件を変えて実証実験を行いました。本レポートでは主に、週6日・常設した「萩の台住宅地」における実証実験ついて解説します。
「日常の『ごみ出し』を活用した地域コミュニティ向上モデル事業」の概要
本実験は市内の「萩の台住宅地」の自治会に協力を求め、自治会該当地区を対象地域としました。期間中、資源循環の拠点「こみすて(コミュニティステーションの略で生駒市版MEGURU STATION®)」を自治会館に隣接した中央緑道に設置し、対象地域の住民にはステーションへ回収対象となるごみの持ち込み・分別を行っていただきました。南三陸での実証実験では、期間中は既存のごみ収集は利用せずに原則ステーションにごみ出しをすることとしていましたが、今回の実験では、コミュニティ面の効果を重視した生駒市側の意向もあり、既存のごみ収集も活用してよいという条件下で行っています。開放時間は月~土曜日の日中(通常7時~17時)で、スタッフが常駐し分別指導等を行いました。
こみすての外観 | ステーションの主な機能 |
※図はクリックすると拡大します
実証期間後、持ち込まれた資源ごみの計量・質の調査および参加住民へのアンケートを通して、資源ごみの分別・回収状況とコミュニティ面の両面からステーションの利便性・有用性等を検証しています。
ごみの回収と資源化
ステーションの第一の目的は、市内の資源循環の拠点となることです。本実証実験に参加を表明してくれた住民の方々に資源ごみを持ち込み、分別していただくことで、市内におけるすべての一般ごみの資源循環率の向上を目指しています。
今回は20分類で回収を行いました。内訳は生駒市の既存分別および地元で集団資源回収品として集めている資源に加えて、可燃ごみの中から生ごみと紙おむつを資源化調査のために新たに分類して回収、さらにリユース品とフードドライブについても回収しました。
次回は、ICTによる実験仕様などについてご説明します。
関連情報
アミタグループは、地域の持続性を高める統合支援サービス「BIOシステム」を提供しています。地域の未利用資源を活用したコンパクトな自立型の地域づくりを、ビジョン策定からインフラの設計・運営、産業・雇用創出支援まで、トータルで支援します。
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