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コラム

自治体と連携するコミュニティナースのカタチとは?コミュニティナース|人とつながりまちを元気にする

191210_image001.jpg高齢化が進む中、病気を未然に防ぐことや疾病の悪化を防ぐ「未病」への対策が注目されています。とはいえ、通院や定期健診のハードルはまだまだ高いのが現実。そんな現状を解決する可能性があるのがコミュニティナースです。

本連載ではコミュニティナースが生まれた経緯や事例などから、今後地域や企業に与える可能性について、お伝えいただきます。第3回は、自治体と連携するコミュニティナースのカタチについて、全国で初めてコミュニティナースの講座を主催した奈良県の事例をご紹介します。

(写真は五條市のマラソンイベントで伴走する桝田 采那(ますだ あやな)さん)

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コミュニティナースの可能性

代表の矢田が活動をスタートさせた島根県雲南市でコミュニティナースが広がりはじめると、全国の自治体から多くの視察が来るようになりました。その数は年間150名以上。人口減少と高齢化が進む中、特に地方では、医療制度だけでは手の届かない、コミュニティ機能の維持やまちの人との関係づくりが重要な課題となっていたのです。

雲南市のような高齢化が進む中山間地域で、看護師が病院の外で住民の健康づくりやまちづくりに携わる活動を始めたことが「地方創生」のヒントとなるのではないかと注目を集めました。

奈良県のチャレンジ

191210_image002.jpg全国からの視察が増える中、2016年に「県」としてコミュニティナースを導入したいと手を挙げられたのが奈良県でした。移住担当の職員の方がコミュニティナースのコンセプトに共感し、この取り組みを県として導入できないかと関係部署との綿密な調整を進めました。2017年4月には、奈良県南部東部の奥大和と呼ばれる地区の市町村へのコミュニティナースの導入支援が始まりました。医療サービスが手薄な地域で地域に寄り添いながら住民の健康や暮らしに関わる取り組みとして、コミュニティナースが選ばれたのです。

(写真はガソリンスタンドで働く荏原さん)

山添村に移住した、コミュニティナースプロジェクト修了生の荏原優子(えばら ゆうこ)さんが拠点とするのは、村のガソリンスタンド。荏原さんが村の職員や県の職員、村の人たちと接する中で「村の人といつでも会える場所」と見つけたのが車社会の生活動線のガソリンスタンドだったのです。多くの中山間地域と同様に、山添村では車が生活に必須のため、ほとんどの村人が給油のために立ち寄ります。ガソリンスタンドにいる親しみやすいお姉ちゃんとして関係性を築いた延長線上で「あなた看護師さんでもあるよね、実はさ・・・」と気軽に健康相談が行われるようになりました。今では、個別訪問や集落を見守る活動も行なっています。また地域での活動から見えてきた次の課題として、村の若手事業者と連携し、子育てサポートや地元の若者の「やってみたかったこと」の実現をサポートする団体の立ち上げを行なっています。これもまちの人の元気を応援するコミュニティナースの取り組みのひとつです。

奈良県の取り組みは特徴的で、地域おこし協力隊や集落支援員、生活支援コーディネーター制度などを柔軟に活用し、自治体のバックアップ体制を整えています。

自治体が育てるコミュニティナースのチャレンジ

191210_image003.jpg2018年には、自治体主催として全国で初めて「奥大和コミュニティナース養成講座」をスタート。奈良県奥大和移住・交流推進室の事業として、修了生が奥大和地域との関わりを持ち続けることや、地域を元気にする存在(コミュニティナース)として移住することを目的に実施しています。

ケーススタディと実際の地域活動を体験するプログラムで第1期は11人が修了しました。2019年開催の第2期は10人が修了し、10月現在、講座修了生から4名のコミュニティナースが奥大和地域(川上村、十津川村、五條市、大淀町)で実践を続けています。さらに現在は、外部からの移住だけでなく、地域内で実践する人材の発掘と育成の取り組みが始まっています。

(奈良県吉野町の金峯山寺を会場とした講座の様子)

次回は、コミュニティナースを広げる中で見えてきた、まちで活躍するさまざまな専門家や民間企業との協働、その可能性についてお伝えしていきます。

参考情報

『コミュニティナース まちを元気にする"おせっかい"焼きの看護師』

執筆者プロフィール

mr.morimoto.png森本 健太(もりもと けんた)氏
Community Nurse Company株式会社
育成事業責任者/事務局

東洋大学国際観光学科卒業、住宅建材商社、NPO法人ETIC.を経て、2017年からCommunity Nurse Company株式会社に参画。コミュニティナースプロジェクト第7期、第8期、第9期の責任者として41名のコミュニティナースを輩出。自らも神奈川県鎌倉市を拠点にコミュニティナースを活かした事業モデルづくりに従事。

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