コラム
エイズ孤児支援NGO・PLAS|企業とNGOの連携のためのガイドラインとは?【第1回】企業とNGOの連携のためのガイドラインとは?
こんにちは、特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLASの門田瑠衣子です。
今日は、企業とNGOが連携し、地球規模の課題解決のためにコラボレーションする際に、どのような点に気を付ける必要があるかについて考えてみたいと思います。私は「NGOと企業の連携推進ネットワーク」にて、2009年から2012年まで運営委員をしていました。このネットワークは持続可能な社会の実現のために地球規模の課題解決にむけ、NGOと企業が双方の特性を認識し、資源や能力等を持ち寄り、対等な立場で協力して活動する機会を推進することを目的に、結成されました。
NGOメンバーと企業メンバーが定期的に対話を行い、両者が合同で取り組める課題の抽出や協働アクションを行っています。ここでよく議論されていたのが、連携に際して「どのような関係づくりをしていけばいいのか」、ということでした。そこで、企業とNGOで協働して連携ガイドラインを作成したのです。このガイドラインをご紹介しながら、企業とNGOの連携の実践手順や注意点について、数回に分けてご紹介していきます。
画像:Some rights reserved by Stephan
■本コラム一覧
- 門田さんの新コラムスタート!
- 企業とNGOの連携のためのガイドラインとは?【第1回】
- 企業とNGOの連携のためのガイドラインとは?【第2回】
ビジョンを共有。時には断る勇気も。
連携の際にもっとも重要なこと、それは「何のために連携するのか」という目的を明確にし、相手の連携目的を理解することです。当たり前のことですが、出来ていそうで、出来ていないのが、この「目的の明確化」。第一義的な連携目的は「社会課題の解決」ですが、連携の副産物として、企業側では「ブランディング」や「広報」を期待している可能性もあります。また、NGO側では連携を通した「組織強化」や「ノウハウの獲得」を期待しているかもしれません。本質的な目的に加えて、この副産物への期待も含めて共有できると、お互いへの理解が深まります。
また、この目的の共有を通して「連携しない」という結論になる可能性もあるでしょう。たとえば企業側の視点から見た場合、社会課題の解決について、NGOの組織基盤や能力が十分でない、と感じられた場合、またNGO側の視点から見た場合、社会課題解決とはズレた連携意図を企業側から強く感じる場合などは「本当に連携すべきなのか?」熟考する必要があるでしょう。
どうやって共有する?
NGO側でも企業側でも、連携の際の考え方やスタンスを伝えられるように、それらが資料やウェブサイトにまとめられているとよりわかりやすいでしょう。たとえばプラスでは「企業のみなさまへ」※というページをサイト上に作り、連携の種類や私たちの方針などをご紹介しています。
また、担当者同士で腹を割ってしっかりと話をすることも大切です。私は、企業さんから連携の提案があった際、エイズ孤児問題の解決という目的を確認することに加えて、場合によっては「(社会課題の解決だけでなく)連携に御社が期待することをざっくばらんに教えてもらえますか?」とストレートにお聞きしています。このような話から、CSR担当者の悩みやよりお互いの強みを活かしあえる連携の在り方が見えてきたりすることもあるのです。
画像:Some rights reserved by World Bank Photo Collection
執筆者プロフィール
門田 瑠衣子(もんだ るいこ)氏
特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLAS 代表理事
1981年熊本県生まれ。2006年、武蔵野女子大学人間関係学部卒。明治学院大学大学院国際学修士課程修了。フィリピンの孤児院や国際協力NGOでのボランティアを経験し2005年、大学院在学中にケニア共和国で現地NGOでボランティア活動に参加。それをきっかけに、2005年にエイズ孤児支援NGO・PLASの立ち上げに携わり、同団体事務局長を経て、現在代表理事を務める。現在は、海外事業及び国内のキャンペーン事業、ファンドレイジングなどを中心に活躍中。2012年、NGOと企業の連携推進ネットワーク運営委員サブリーダーを務め、NGOと企業連携に関する講演等を行う。2013年7月に長男を出産。育児と仕事の両立に奮闘中!
※「企業のみなさまへ」のホームページ
おすすめ情報
お役立ち資料・セミナーアーカイブ一覧
- なぜESG経営への移行が求められているの?
- サーキュラーエコノミーの成功事例が知りたい
- 脱炭素移行における戦略策定時のポイントは?
- アミタのサービスを詳しく知りたい
アミタでは、上記のようなお悩みを解決するダウンロード
資料やセミナー動画をご用意しております。
是非、ご覧ください。