コラム
元青年海外協力隊が語る|草の根活動が世界をつなぐ 第4回草の根活動が世界をつなぐ
2015年を迎え3週間経ちましたが、本年もコラムをよろしくお願いします。
写真:花火の煙に包まれる元日のマニラ
元青年海外協力隊が語る|草の根活動が世界をつなぐ
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フィリピンのお正月
フィリピンの年越しは、なんと言っても花火です。新年を迎えた瞬間、一斉に花火が打ち上がります。見渡すところに花火、そして爆音が鳴り響き、新しい年を祝います。元旦は花火の煙が街を包み、なんとマニラでは飛行機が視界不良になって欠航します。
除夜の鐘を聴きながら静かに迎える新年も良いですが、爆音のなか新しい年を迎えるのも賑やかで楽しいです。フィリピンでは日本のような正月休暇は無く、2日から仕事始めになります。前回書きましたが、その分クリスマス休暇が長いです。
今年の1月15日から19日までローマ法王が20年振りに来比しました。その期間、マニラでは特別休暇として、行政、学校、企業は5連休でした。さすがカトリックが多数を占めるフィリピン。雨の中、野外ミサには600万人を超える人々が集まり、盛大に行われました。
JICA技術協力プロジェクト
さて、配属先のサガイ市は2007年から2010年の3年間、日本の技術協力「地方都市における適正固形廃棄物管理プロジェクト」が行われていました。このプロジェクトで廃棄物削減、中間処分場や衛生埋立処分場が建設されました。
衛生埋立処分場は準好気型埋立構造(別名:福岡方式)と呼ばれる、温暖化を抑える日本方式の処分場になっています。
処分場の稼働に併せて必要となるのが、分別収集です。これまで、ひとまとめに捨てていた廃棄物を、どのようにして分別させるか、住民へ伝えるかが重要になります。
写真:準好気型埋立構造の処分場
住民への環境教育
フィリピンにはバランガイという、数千人単位のコミュニティがあります。日本の「村」のようなものです。バランガイは結束力が非常に強く、お祭りなどイベントに行われます。
このバランガイで行われる集会でゴミの分別方法について説明することになりました。集会は大勢参加できるように仕事後の暗くなった頃に野外で開催されます。そのため、プロジェクターの光に惹かれ虫たちが集まり、野良犬が吠え、酔っ払いが歌い、周りは停電で全ての明かりが消えるという事態になります。それでも住民の皆さんは、拙い現地語で話す説明をしっかりと聴いてくれました。
フィリピンではゴミを4種類に分別します。
- 有機ゴミ(生ゴミや草木など)
- 有機以外のゴミ(プラスチック、タイヤ、布など)
- リサイクル(ビン、缶、ペットボトルなど)
- 危険物(薬品、蛍光灯など)
説明する際に「日本で最も分別をしている町は、何種類に分別しているのでしょうか?」というクイズをしていました。皆さん、わかりますか?
小さかった頃は、ごみを分別もせず黒いゴミ袋に入れ、空ビンは駄菓子屋へ持っていくと10円返金される時代でした。日本も時代とともに少しずつ変化し、今の分別システムが作られ、住民に広がってきました。フィリピンでも同じようにゆっくりと分別意識が高まることを期待しています。
執筆者プロフィール
山﨑 晃生(やまざき てるお)
アミタ株式会社
海外事業グループ 海外事業チーム
2013年にアミタホールディングス株式会社へ合流し、経営管理グループにおいて本社移転、拠点管理に従事する。現在はアミタ株式会社海外事業グループにて主に東南アジアにおける調査事業および新規事業の立ち上げを担当している。
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