コラム
元青年海外協力隊が語る|草の根活動が世界をつなぐ 第3回草の根活動が世界をつなぐ
寒さの厳しい日が続いています。これからクリスマス、新年と体調に崩さずに過ごしていきたいです。さて、フィリピンの人口8割がカトリックを信仰しているため、1年間で最も盛り上がるイベントはクリスマス。
月名に「-ber」が付く月、つまり「September」9月からクリスマスに向けて準備が始まります。4か月後に向けて、街にはイルミネーション、そしてクリスマスソングが流れます。
写真:サガイ市役所のクリスマスパーティー
元青年海外協力隊が語る|草の根活動が世界をつなぐ
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 最終回
活動スタート?
2010年10月4日、秋の陽気の日本から蒸し暑いマニラ到着しました。それから約1ヶ月間、現地語であるイロンゴ語を訓練し、11月中旬に配属先であるサガイ市役所環境課に着任しました。
職場は既にクリスマスモード。クリスマスパーティーの出し物であるダンスの練習が毎日行われます。海洋保全に取り組んでいる環境課ということもあって、クリスマスツリーには貝殻、そして亀の甲羅が飾り付けられていました。これまで様々なツリーを見てきましたが、潮の香りを放つツリーは初めてです。こんなところにも文化の違いを感じられます。
フィリピン版廃棄物処理法
本格的に活動がスタートしてから、まず初めに調査したのは廃棄物の制度です。フィリピンには「RA9003」という、廃棄物に関する法律があります。この法律は、行政、住民に対してのルール、それから厳しい罰則があります。
例えば、
公共の場所のゴミのポイ捨禁止
罰金300-1000ペソ、奉仕活動1-15日
ゴミを燃やすこと禁止
罰金300-1000ペソ、懲役1-15日
分別しないでのゴミ捨て禁止
罰金1000-3000ペソ、懲役15日‐6カ月
(1ペソ≒2.4円)
しかし、街を歩くとポイ捨てによって道端にゴミが散乱し、分別されず回収されたゴミが「スモーキーマウンテン」化しているのが現状で、ほとんど取り締まりも行われていません。
日本では当然のように決まった時間にゴミ収集車が来て、分別されたゴミを収集していきます。朝早くにゴミステーションへ運んだゴミが回収されず、30℃を超える中に数日間放置されたままの状況を想像してみてください。ハエが湧き、野良犬が集まり、悪臭を放ちます。
法令順守はもちろんのこと大切ですが、そのために設備や予算を含めた行政システム、それから住民への啓蒙活動がなければ成り立たないことをあらためて感じました。
皆さんも出したがゴミが自治体でどのように回収、リサイクル、処分されているのか、ぜひ確認してみてください。
執筆者プロフィール
山﨑 晃生(やまざき てるお)
アミタ株式会社
海外事業グループ 海外事業チーム
2013年にアミタホールディングス株式会社へ合流し、経営管理グループにおいて本社移転、拠点管理に従事する。現在はアミタ株式会社海外事業グループにて主に東南アジアにおける調査事業および新規事業の立ち上げを担当している。
おすすめ情報
お役立ち資料・セミナーアーカイブ一覧
- なぜESG経営への移行が求められているの?
- サーキュラーエコノミーの成功事例が知りたい
- 脱炭素移行における戦略策定時のポイントは?
- アミタのサービスを詳しく知りたい
アミタでは、上記のようなお悩みを解決するダウンロード
資料やセミナー動画をご用意しております。
是非、ご覧ください。