コラム
身近なエコ|環境認証でモノの見方・選び方が変わる!【最終回】身近なエコ|環境認証でモノの見方・選び方が変わる!
暑さすら残る秋から寒さに身を縮める冬を経て、花の香や色に心和らぐ春へ。10月からこれまで5回にわたり、海外の事例などを通じて環境認証、調達についてコラムをお届けしてまいりました。今回がこのシリーズの最終回。これまでの振り返りの意味も込めて、環境調達について改めてお話をしたいと思います。
※写真出典:©MSC
【身近なエコ】環境認証でモノの見方・選び方が変わる!全6回はこちら
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購買の意味をもう一度
今このコラムを読みながら、ペットボトル入りの飲み物を手にしている方もいるのではないでしょうか。では、それをどのように選んで購入しましたか?
毎日多くのものを買っている私たち。それはつまり、その商品に「良し」の一票を投じていることと同じです。個人のみならず、企業も製品製造に使用する原材料から社内で使用するオフィス家具や文房具に至るまで、多くの商品を購買しています。今世界の多くの企業は、環境調達を非常に重要視しています。かつては「環境かコストか」と言われた時代もありましたが、今や環境に配慮した持続可能な調達は企業の持続可能性の鍵とも言えます。
水産物の加工製品を販売していた会社が先々の資源枯渇のおそれに危機感を覚え、漁業者から流通すべてを巻き込み、適切に管理された水産物を消費者へ届けるしくみを構築したのがMSC認証の始まりでした。企業が持続可能である為には、その企業が使用する原材料を継続的に調達できる環境を維持しなければなりません。そのサプライチェーンにいる皆が関与し、最終製品にエコラベルを付けることで消費者が明確に選択しやすいしくみとしたことは、環境購買を大元から消費者までつなげた非常に重要な点と言えるでしょう。
買う機会を増やしたい!
エコラベルによって消費者が選択しやすいしくみを構築し、それに適合する製品を作ることは、適切な選択を広めていくためにも大切な一歩です。次のステップとしては、それらを購入できる窓を広げ、製品種類を増やしていくことが大切です。今も小売店や通信販売等で、MSCやFSC®といった認証製品を購入することが可能ですが、更にルートが広がり、アイテムが増えれば、消費者への露出が増大します。多くの人がマークを見る機会が増えれば、認知度アップにも繋がります。
販売拠点を広げるには、もちろん小売りに携わる企業のますますの取り組みが期待されるところです。また、それだけではなく、買う立場からも何が欲しいのかをもっとアピールすべきです。あるスーパーで、お客様からの声に応えて店舗の改善を行った例を聞きました。すばらしいことですね。適切に管理された商品を購入したいという声が多く出てくれば、販売側もそれにより応えやすくなると思います。
知る機会を増やしたい!
動物園でのFSCキャンペーンや病院にいる子供たちにFSC製品をプレゼントした話を、以前にお届けしました。購買拠点だけではなく、様々な場所で認証製品や認証制度について知る機会、つまり環境教育の機会が提供されている海外の事例です。
教育というと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、要は理解し、判断し、行動することです。先の動物園のキャンペーンの例でいえば「ゴリラの生息地が脅かされている」と知り「生息地を脅かす木材伐採に反対」しようと思い「適切に管理された木質製品を購入」するのです。環境に配慮したしくみを知り、それがこれからの人や地球の存続に必要であると判断できれば、そのために行動がしやすくなるでしょう。
日本は、自然の恵みが豊かな国です。国土の7割を森林が占め、美しい緑、豊富な水が生活を潤しています。また、水産資源も得やすく、日本で食されている魚の種類は海外に比べて多いのです。しかしそれが故に、資源枯渇への危機感が小さいのではないでしょうか。
自然環境や人間の活動は刻々と変わるため、この自然が今後どれだけ豊かに私たちを支えてくれるかわかりません。自然の恵みをいただくために、私たちもそれを支える責任があるのです。
「大切にする。」子供たちには、いろいろな物事についてこのように言いませんか?物も、人との関わりも、経験も。これから地球で生きていくために、買うという行動でも「何を大切にするべきか」をきちんと考えて選択できるように、環境教育を少しでも多くの機会を通して広めていくことができれば、と願っています。
皆さんの購買の一票。今日は何に入れますか?
参考情報
- MSC website: http://www.msc.org
- FSC website: https://ic.fsc.org/index.htm
- アミタ株式会社は、FSCに認定された認証機関Soil Association WoodmarkとSCS Global Servicesの日本パートナーです。
- FSC®N001887
- ACC-MSC-020
■この記事はCSRJAPANに2015年3月18日に掲載されたものです
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