コラム
第2回:2030年の環境制約と企業を取り巻く事業環境(後編)商品価値から企業価値へ~2030年の環境戦略の姿~
2030年の社会状況や環境制約を見据えたときに、企業はどのような環境戦略・価値創出を行っていくべきかをお伝えする、本コラム。
前回は「現在の資源利用の推移」と「変化する企業リスク・脅威」について解説してきました。
今回では「企業活動に影響を及ぼす制約条件」や「これからの環境戦略立案に必要な考え方」についてお伝えします。
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企業活動に影響をおよぼす制約条件~2030年に予想される世界の状況~
既に原料調達等における危機意識をもとに、具体的な取り組みを進めている企業の方も多いと思います。
今回は改めて、今後どのような社会になるのか、どのような要素が企業活動に影響をおよぼすのかをまとめます。
注目すべきポイントは以下5つです。
2030年にはいずれかのリスク項目が顕在化し、企業活動に直接制約がかかる状況が想定されます。資源枯渇が製品設計を規定して、気候変動が生産施設や市場そのものを破壊する可能性が高まるのです。企業がグローバルに活躍の場を広げるということは、同時に、進出したアフリカやアジアの国々の気候変動や異常気象、資源調達リスク等の脅威にさらされるということであり、企業全体での安定した事業運営が困難になることも予想されます。
これからの環境戦略立案に必要な考え方 ~バックキャスト思考~
これまでの「資源消費と経済発展の関係」・「世界を脅かす脅威の変遷」・「2030年に予想される世界の状況」を概観すると、企業が持続的に成長するためには、直近の情勢変化への対応だけでなく、長期的な視点での取り組みを推進することが必要不可欠です。
では、長期的な視点から未来を見据え、現在の取り組み目標に落とし込んでいくためにはどうすればよいのでしょうか。その1つの思考法が「バックキャスト思考」です。環境戦略に「バックキャスト思考」を適応するということは、環境制約条件の下で予測される世界、あるべき社会のあり方(例えば、2030年のわが社のあるべき姿)を描き、そこから逆算して、今なすべきことを戦略・戦術として整理することです。
環境戦略は、企業の全体戦略の中で今後重要度を増していくはずです。
では、2030年に向けて環境戦略・環境対策を推進するにはどうしてゆけばよいのでしょうか?
次回は、環境戦略立案時に考慮すべきポイントについて説明します。
※本コラムは(株)ポスティコーポレーションの専門誌「ラバーインダストリー 2015年8月号掲載」記事を一部改編して掲載しています。
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執筆者プロフィール
唐鎌 真一 (からかま しんいち)
アミタ株式会社 環境戦略支援営業グループ
グループリーダー
2006年12月、国内大手金融機関を経てアミタグループに合流。中央省庁(農林水産省、林野庁、水産庁、環境省等)および、地方自治体向け地域活性化促進事業を支援。企業向けに、環境管理業務のアウトソーシング、環境リスク低減支援、環境効果の向上支援等に関する環境戦略支援サービスを提供。
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