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家電リサイクルのイロハ(前編)BUNさんの「元・行政担当者が語る 廃棄物管理のイロハ」

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以前、「オフィスのお引越し特集」 「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について」 のコラム記事で、家電リサイクル法について触れますが、質問も多いことから、改めてテーマとして取り上げて解説したいと思います。

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家電リサイクル法の対象になるものとは

家電リサイクル法の対象となるのは、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・クーラー の4品目(関連する冷凍庫、乾燥機等も該当)です。

特定家庭用機器再商品化法、通称「家電リサイクル法」と呼んでいますが、これは「家電として製造された」という趣旨であり、業務用として使用したこれら4品目を廃棄する場合も、家電リサイクル法の対象になります。

事業所からこれらの「廃家電」が排出される場合は、通常、構成している素材から「廃プラスチック類」「金属くず」「ガラス陶磁器くず」の3種類と判断、運用されています。この3品目は「業種指定」がなく、どのような事業所から排出されても産業廃棄物となります。

つまり、家電リサイクル法の対象となる廃家電は、家庭から排出されれば「一般廃棄物たる廃家電」、事業所から排出されれば「産業廃棄物たる廃家電」となります。このことは、後段の委託契約書やマニフェストを考える上で重要ですので、覚えておきましょう。

通常の処理ルート

対象4品目が不要になった場合、通常、排出者は家電リサイクル券を購入して添付の上、家電販売店に引き渡します。家電販売店では、多くの場合、家電メーカーが中心となって構築した処理ルートに乗せてリサイクルを進めます。

ではなぜ、家電メーカーや家電販売店は、このような行為を行っているのでしょうか?廃棄物処理の原則である「排出者責任」にのっとれば責任は排出者側にありますが、家電リサイクル法対象の4品目に関しては「拡大生産者責任」の考えが適用されるのです。

技術進歩により「製品」が高度かつ複雑化し、排出者が処理するのが困難なケースがあります。「処理が大変なものは、提供する者にも責任を持って欲しい」「最も製品の知識を持っている者は製造者である」等の考えから、廃棄物の排出者だけでなく、生産者にも一定の責任を課すのが「拡大生産者責任」です。

家電リサイクル法はこの「拡大生産者責任」を具体化した制度であり、製品の販売者には「引取義務」、生産者には「リサイクル義務」を課しています。

「拡大生産者責任」を果たしてもらうために、生産者等には「例外規定」が設けられています。たとえば、他者の廃棄物を収集運搬する場合は、原則処理業の許可が必要ですが、家電販売店が廃家電を収集運搬する行為は許可が不要であり、契約書やマニフェストも不要という「特典」があります。

これらが基本的な考え方ですが、後編では、例外的な処理ルートや違法な処理ルートについて紹介します。ご期待ください。

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執筆者プロフィール

長岡 文明 (ながおか ふみあき)
アミタ株式会社 特別顧問

山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も務める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)。

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