コラム
今日からできる!社員を巻き込むCSR活動(その1)
相手に届く言葉で話してみよう 今日からできる!社員を巻き込むCSR活動
日本では少なくとも1,091社が環境報告書を作成・公表しており (注1)、企業の社会性、環境性に関する報告が数多く行われています。また、2005年頃からCSR専門の部署も増えており、決して取り組みが遅れている国ではありません。それにも関わらず多くの企業ご担当者様から寄せられる課題はダントツで「社内にCSRが浸透しない」ということです。今回は新年度新しく担当者になられた方でもすぐに実践できる「社員を巻き込むCSR活動」をテーマに書いてみたいと思います。
CSRの言葉を翻訳して伝えましょう
CSR社内浸透のためのハードルはいろいろあると思います。
- 「経営者、管理職が理解を示してくれない」
- 「現場がCSRはCSR部門がやるものと思っている」
- 「そもそもCSRの考え方が理解されていない」 等
そのためにCSR担当者の方がまず取り組むべきは、周りにCSRという考え方を相手に分かる言葉で伝えることです。CSR従事者がCSRの言葉で話を続けている限りは、現場や経営層からはなかなか理解されません。
例を挙げます。
- 専門語:「ステークホルダー(利害関係者)とのダイアローグ(対話)を経営判断に取り入れましょう」
- 改善例:「顧客、株主、従業員、地域住民ら利害関係者のニーズを経営判断に取り入れましょう」
- 専門語:「ISO26000を参考にして、弊社も廃棄物管理でデューディリジェンス(注2)を取り入れましょう!」
- 改善例:「廃棄物管理に潜在リスクの管理視点を取り入れて、現地確認を積極的に導入しましょう!」
その際に、相手の方々の部署の目的や目標に関わる部分を理解して伝える必要があります。営業部門の方であれば、売上や顧客獲得、人事の方であれば従業員満足度向上等、相手の活動がCSRとどう接点があるのか見つけてあげる必要があります。
翻訳するためにCSRの経緯や言葉を理解しましょう
CSR部門はまず以下3点について自身が理解し、周囲に説明できるようになる必要があります。
- CSRとは何か
- なぜCSRは社会と自社に必要か
- 企業活動にどう影響するか
その際にポイントとなるのが、CSRに関する地域差の理解です。 例えば、アメリカと欧州、日本、途上国ではCSRが必要になってきた背景や、進んでいる取り組み、現在課題となっているポイントが異なります。日本国内では収賄は通常の商慣習から排除されていますが、途上国であればまだまだ慣習として残っているところも多く、法令順守と現場実務の間でいろいろと問題も生じます。
- CSRがどのような歴史的背景を持って発展してきたのか
- 今現在どういう領域で区分されているのか
- 関連する国際規約は何か
それらを簡単に整理しましょう。 それでは次回からは、どのように進めていくのかを書いていきます。
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執筆者プロフィール
蝦名 裕一郎
アミタホールディングス株式会社
経営統括グループ 共感資本チーム
アミタ株式会社に入社後、コンサルティング部門を経て、企業の環境教育活動のプロデュース、省庁との地域活性化支援事業の運営等に携わる。 ソーシャルビジネスに関する新規事業部門を経て、現在はCSRレポートの横断検索サイト「CSR JAPAN」の運営とCSRコミュニケーションの分析、コンサルティング業務に従事。
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