コラム
「環境」×「省エネ行動管理」その4~継続する施設の管理手法~「環境」×「省エネ行動管理」
※本記事は、「環境」×「省エネ行動管理」その3~運用改善の課題~ の続きの記事です。
今回は、私が指導してきた施設の中で、継続する施設の特徴に着目し、継続させるテクニックについて概要を解説します。
継続する施設の特徴
- 継続する施設は、活動を数値管理しています (正しく評価できるようになります)
- 継続する施設は、評価しています (評価されることで活動が促進します)
- 継続する施設は、常に他の施設と比較しています (競争意識で活動が促進します)
- 継続する施設は、現場まかせにしません (現場の課題、活動中断の原因となるトラブル、不満が見えてきます)
- 継続する施設は、コスト意識を保つ工夫をしています (コスト意識の高い現場になります)
- 継続する施設は、成功事例を積極的に試しています (成功体験が得られます)
現場は分かっていてもできないもの
前述の図を見てのとおり、特別なことはなく、当たり前のことをやっているだけです。しかし、現場からは「忙しい」「余裕がない」「これ以上、業務を増やさないでほしい」など「できない理由」が上がってきます。本部の担当者も同じ状況です。私も忙しい現場をたくさん見てきましたのでよく分かります。
「忙しくてもできる活動」に的を絞る
省エネ活動は、活動項目が多ければ多いほどムリ、ムダ、ムラが生じます。それに伴い実行・管理も大変なことになります。結局「やってるだろう」「できているだろう」という誰も把握していない状態、現場に丸投げ状態になり活動は徐々に終わっていきます。
特に、これから改正省エネ法などを皮切りに省エネ活動をスタートする企業様、行き詰っている企業様には、忙しくてもできるように活動を1つに絞り、それだけを徹底する手法をおすすめします。忙しい現場でも実践しやすく、管理はとても楽になります。 私がおすすめするのは、空調管理です。 以下のような例を参考にみてみましょう。
【運用】 | ・各エリアの温度計を見て、設定温度を変更してください。 ・設定温度は、冬20℃、夏28℃(政府推奨) ・できるなら1台を常に送風にできるように工夫してください。 ・全台を一気に立ち上げないで、必要なエリアから稼動してください。 |
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【参考値】 | ・冷房の場合、1度設定温度を上げると約10%の省エネ! ・送風は80%省エネ ・年間約50万円の利益確保!売上に換算すると1000万円相当!金額は参考です。施設ごとに異なります) |
【注意】 | ・暑い(寒い)ときにはムリをせずつけてください。 ・サービスの低下、労働環境の低下はNGです。 ・ただし、冷し過ぎ、暖め過ぎには注意してください! |
【+α】 | ・1ヶ月に1回、フィルターを清掃しましょう ・フィルター清掃で10%省エネ! |
他はやらなくても、これだけで十分な成果が出ます。気をつけることは運用面のフォローです。 これを参考に御社独自の忙しくても継続できる「かんたん・らくらく省エネルールと運用フォロー」を構築し、現場の状況を見て活動を徐々に増やしていってください。
次回は、『現場を楽にする行動管理』を紹介します。
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執筆者プロフィール
杉本 明文
株式会社チェンジバリュ 代表取締役
1968年生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、西日本鉄道株式会社に入社。労務・人事業務に携わる。
その後、製造業の業務改善コンサルティング企業を経て、株式会社コスト削減総合研究所に入社。『コスト削減のDNA』を現場に継続的に根付かせる業界毎(流通業・ホテル・旅館・病院・レジャー施設)の体験型の研修プログラムを開発。2000を超える施設で運用。
現在は株式会社チェンジバリュ代表。
省エネの継続性の課題を解決する業界初の「省エネ行動管理」ソフトを開発。 【著書】
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