コラム
「環境」×「仕事」その2~環境分野における雇用創出140万人は本当になされるのか?リレーコラム
※本記事は、「環境」×「仕事」その1~環境分野における雇用創出140万人は本当になされるのか?の続きの記事です。
アンケートからみる「環境業務」
具体的に環境部と言われている部署の業務内容を、弊社のセミナーや説明会の参加者の方にアンケートで確認しましたところ、下記のようなデータが出てきております。
【あなたの業務内容をお聞かせください。】
(該当箇所に○をつけてください、複数回答可)
経営者も人事も「環境業務」を把握しきれていないのでは?
上記の72名からの回答を分析すると、基本的に、一人が複数の業務をこなしている状況が伺えます。実際に、環境業務担当者に伺ってみると、中には環境業務を一人でこなしているケースもありました。(これについては、本サイトの「環境担当者の声:環境部門の後継者問題をどうする?」の記事もご参照ください)
先ほどの部署名の話もそうですが、残念なことに、環境業務の仕事内容や業務量が自社でどれぐらいあり、どういった組織体制で臨むのが適切なのかが経営者も人事担当者も分かっていないのではないでしょうか?
特に、廃棄物管理などは、生産管理のようにモノを生産している組織ではないという認識が強く、今だにコストセンターという意識が強いため、政府が掲げているような雇用創出までにはほど遠いというのが現実です。逆に「環境業務の担当者が年々一人ずつ退職し、そのたびに退職者が担当していた分野を残りのものが担当していく」といった企業も多いのが実態です。
「攻める環境部」を目指して
以上のような状況で、政府が掲げる140万人の雇用創出はエコ商品の技術革新による製造面での雇用の可能性を考えているようですが、現状としては、環境業務の組織定義や業務内容が決められていない中で、140万人の創出を掲げてもどういった環境業務の雇用を増やすのかが明確ではなく、数字だけが先走っている感があるのが否めません。
本連載では、この課題に対して「攻める環境部」をテーマに考えてみたいと思っております。
現在、私もある企業様の環境部の組織コンサルティングをしているのですが、限られた人員・人材の中で、どのように効率的に環境業務を運営していくのかがテーマとなっており、環境業務を定義することは企業内における環境業務を考える上でも本当に意義があることだと思いますし、今後の雇用創出には欠かせないことだと思っております。
次回は、次世代の環境部のあり方などについて考えていければと思っております。
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執筆者プロフィール
猪又 陽一
アミタエコブレーン株式会社
マーケティング事業部 主任
1970年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、株式会社ベネッセコーポレーション入社。子どもたちに環境の大切さを伝えるべく、理科教材編集業務などに携わる。その後、外資系ネットビジネスの立ち上げやコンサルティング会社でマーケティング、新規事業開発を専門でビジネスの立ち上げを多数経験後「人を マーケティングしたい」と考えて株式会社リクルートエージェントへ転職。インターネット業界の雇用創出・流動化のために新規ビジネスを立ち上げ、ビジネス として軌道にのせた後、09年に総合環境ソリューション企業アミタの理念に共鳴し合流。現在、環境分野におけるマーケティングや仕事・雇用・教育をテーマに研究開発、環境を切り口にした組織コンサルティングやマーケティング支援などに従事。
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