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前回のコラムでは、地域の自然と、そこに暮らす人々との関わり方(地域固有の文化)を守り育み、あるいは再生していくことが、地域に根ざす企業の生物多様性戦略として重要である旨をご紹介しました。しかし、それをいざ実践しようとすると、いろいろな矛盾点や疑問点が浮かんでくると思います。今回はその具体例のひとつを紹介します。
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前回、生物多様性の取り組みにおいては「数値よりもプロセスが重要」であり、可視化すべきものはプロセスすなわち「ものがたり」である、とご説明しました。では、どうすれば市場や社会から共感を得られる「魅力的なものがたり」を構築し、発信することができるのかを考えてみましょう。
生物多様性の取り組みで悩ましいこととして、CO2削減と違って数値化された基準がないため、成果をどう可視化したらいいのか判らない、という声をよくお聞きします。しかし、これこそが生物多様性の本質を捉えた「正しい悩み方」であるともいえるのです。
この生物多様性という言葉の概念を、最短時間で、簡潔に、そして完璧に理解し、把握することに挑戦してみましょう。もちろん魔法ではありません。誰にでも簡単にできることです。
企業と生物多様性というと、CSRでの取組みはもう時代遅れで、本業での取組みこそが先端かつ重要事項、といった解釈をされている方もいると思いますが、それは誤解です。両者は互いに補完しあいながら進化と深化を重ねていくものであって、どちらか一方だけをやればいいというものではありません...