Q&A
CSRの最終的なゴールはどこですか?
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CSRにゴールはありません。まずは持続的に毎年課題に取り組むために、CSRレビュー体制の構築を行い、PDCAサイクルを回すことが大切です。そのためには経営者や社員の理解を含めて、CSR担当者が社内外に積極的に働きかけてコミュニケーションを推進していく必要があります。
CSRはISO14001等の環境マネジメントと同様に、年度初めに目標を定めて、それに向けて具体的に取り組み、最終的にチェックをして次年度への目標を改めて設定していくサイクルを作り出すことが大切です。そのためには、前回ご説明した自社分析と合わせて課題を抽出して、その中で優先順位を定めて取り組むことが大切となってきます。
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CSRのレビュー体制構築のためには必ずトップコミットメントが必要。
CSRは担当者が実施するものではありません。CSR活動を実施していくには必ず経営者の理解が必要となってきます。まずは、経営者と一緒にCSR戦略を考えていく必要があります。戦略を練る際に必要なのは「守りのCSR」だけではなく「攻めのCSR」をどう盛り込むかが必要です。あくまでも自社の本業に近い「攻めのCSR」を実施することが企業価値の向上へと繋がっていきます。「攻めのCSR」を実施するためには経営資源が必要であり、中長期的な投資の意味合いでも経営者の理解がどうしても必要になってきます。
チェックシートを作成して毎年確認。その際に第三者からの視点が必須。
例えば、ISO26000をベースにて現状の把握をしてみましょう。その際には事前にチェックシートを作成して臨む必要があります。チェックリストを利用する際に、注意していただきたいのは、決して、その項目が「できた、できない」という視点で判断しないということです。あくまでもチェックリストは項目ですので、量的だけではなく質的なチェックも必要になってきます。そうすることであなたの会社のCSRにおける「見える化」が出来るはずです。もしチェックシートがない場合には、自治体で公開されているチェックシート(さいたま市など)を参照して、まずは自社でオリジナルなチェックシートを作成してみましょう。(さいたま市の許諾なく、そのまま活用したら著作権違反になりますのでご注意ください。)
チェックシートが作成したら、事前に関連部署へ振り返りを依頼します。その後、その報告結果を踏まえて各部署とヒアリングをしながら再度確認を進めていくことになります。恐らく、あなたの会社の課題が浮かびあがってくるはずです。(例えば、労働慣行で女性活用ができていない等)その際には必ず第三者の視点も必要になります。なぜなら、どうしても社員同士になってしまうと馴れ合いが生じて、本来出来ていない部分も曖昧になってしまうことが予想されるからです。結果が出ましたら、次年度に向けて取り組むべき課題を経営者に報告して、次年度の方針を決めていくことになります。
画像説明:さいたま市のチェックリストには中小企業向けに活用できる。ただし、そのままチェックシートを活用することは著作権などの違反になるのでご注意ください。
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執筆者プロフィール
猪又 陽一 (いのまた よういち)
アミタ株式会社
シニアコンサルタント
早稲田大学理工学部卒業後、大手通信教育会社に入社。教材編集やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て大手人材紹介会社で新規事業を軌道に乗せた後、アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」「CSR JAPAN」等をプロデュース。現在、企業や大学、NPO・NGOなどで講演、研修、コンサルティングなど多数実践中。
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