Q&A
企業がアフタースクール(学童保育)の抱える課題解決を支援する方法とメリットは?
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支援する方法とメリットの例として2つの事例を取り上げます。
①小学生がいる従業員向けにアフタースクール利用のバウチャーを提供
②企業が学童保育施設内で習い事教室等を展開
ことで支援が可能です。
前回は、社会貢献活動が会社のPRにも繋がるCSR活動の例をご紹介しました。今回は、企業がアフタースクール(学童保育)の抱える課題解決を支援する方法とメリットについてご紹介致します。
①小学生がいる従業員向けにアフタースクール利用のバウチャーを提供
アフタースクール(民間学童保育)業界が抱える課題の1つに、展開できる地域に限りがあることが挙げられます。税金に頼らない中での運営のため利用者の金額負担が大きく、世帯収入の高い世帯しか利用者対象にならないため、都心部の一部でしか運営が成り立たたないのが原因です。もっと標準的世帯で利用できるようになれば、より多くの地域にフルタイムワーキングマザーが安心して働ける学童保育サービスを展開できますが、決して安くない料金(月5万〜)が必要で世帯収入によって経済的負担を大きく感じることになります。
一方、小学生の子どもがいる会社員の多くはフルタイムでしっかり働きたいと思っています。ですが、公的学童保育に預けようとした場合、18時頃までしか預かってもらえず、時短勤務を続けなければならなかったり、残業時に預けられる場所を探す手間や、場合によっては子どもを1人で留守番させることになったりしてしまいます。これら両方の課題を解決するために、企業が自社の小学生を持つ共働き世帯のために、アフタースクールのバウチャー等の制度 をつくる事が考えられます。
バウチャー とはアフタースクールで利用できる引換券や割引券を交付する制度です。企業にとっては優秀な人材に安心してフルタイムでしっかり働いてもらえる環境作りができ、会社へのロイヤルティを高める施策になります。アフタースクール業界にとっては、利用者の間口が広がる事で、より多くの地域にサービスを拡げる事が可能になります。
例えば、IT業界などは立ち上げ期独身だったメンバーが子育て世代に突入し、仕事と子育ての両立が課題になっていると伺っています。バウチャー制度にあわせてオフィス近辺にアフタースクールを誘致する事で、子育て世代の社員が職住近接を実現できれば、社員のロイヤルティも高まり労働生産性が大きく高まるのではないでしょうか?
②企業が学童保育施設内で習い事教室等を展開
行政主導の学童保育に通わせる家庭にとって、学童保育では職員が少ない、内容が単調でつまらない、夏休み期間の対応が不十分、習い事をさせたいが、仕事のため子供を習い事に連れていけないといった悩みがあります。そこで、民間企業がアフタースクールや学童保育と連携して事業をしているケースがあります。英会話教室や体操教室等習い事事業を展開している企業は平日に学童保育にいる子供向けに教室を開いたり、土日に学童保育の空きスペースで教室を開いている例があります。企業にとっても単独企業だけでは収益性の観点から出店が難しかった地域に進出する事が可能になります。企業にとって、事業展開地域の拡大が出来ると同時に、学童保育側にとっても、空きスペース利用による収益増とワンストップ習い事サービスの付加価値向上を見込む事ができます。
習い事事業を行っていない企業でも、アフタースクールとの連携は可能です。例えば、製造業の企業であれば、一般向け工場見学にアフタスクールの子供たちを招致するバスツアーの開催、食品製造業の企業であれば学童保育施設での食育や料理教室、IT企業であれば学童保育施設でプログラミング教室など、日頃公募にて行っているイベントをアフタースクールや学童保育向けに行うことが、課題解決につながります。また企業にとっても子供やその家庭への直接のPRできる場となりますし、これから社会を担っていく子供たちへの教育支援を行うことができます。
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執筆者プロフィール
板谷 友香里(いたや ゆかり)氏
NPO法人sopa.jp 理事兼事務局長
大学で教職を取る傍ら臨床心理学を学んだ後、新卒でみずほフィナンシャルグループに入行。その後、コーチング分野で独立し、起業スクールにてコーチングを提供。
現在、NPO 法人sopa.jp の理事兼事務局長。sopa.jp は、社会問題をビジネス手法で解決し、お金の流れを変えていきたいと思いから参画。
女性のキャリア支援や結婚観にまつわる講座などを開催している。
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