Q&A
ISO14001改訂の要点「経営層の環境活動への巻き込み方」について、実際何を行えばいいでしょうか?
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EOI Escuela de Organización Industrial
2015年9月15日に、ISO14001の国際規格(IS)が発行されました。「20年目の大改訂」とも言われていますが、特に配慮すべき点は「経営者と環境活動」の関わりです。改訂のポイントとその対応方法をまとめました。
ISO14001改訂の要所
改訂された点は複数に渡りますが、ISO事務局や環境部門担当者の対応方法を中心に考えます。今回の改訂で、企業には以下のことが求められています。
- 「経営戦略」に「環境」や「社会的配慮」の要素を加えること
- 経営者がEMS(環境マネジメントシステム)運用において強いリーダーシップを発揮すること
- サプライチェーン全体へ意識を広げること
「うちの経営層は環境意識が低くて。」というCSR部・環境部のみなさまの嘆きが聞こえてきていますが、今後一層、担当部署からの経営層への働きかけが重要になってきます。
具体的な経営層の巻き込み方は?
すぐに実践できる取り組みとして、例えばESG(Environmental:環境、Social:社会、Governance:企業統治:ガバナンス)等をテーマにした経営層向けの社内セミナー・勉強会を、外部講師を招いて実施する方法があります。その他、下記のような取り組みが考えられます。
- 環境活動に関する他社との相互発表会の実施
- 足元の環境管理指標を経営層が分かり易い形に翻訳する
- 環境活動のコスト換算、資本との関係性の見える化による経営陣へのアピール
- 環境経営ランキングの順位を目標値に設定してコミュニケーション活動を展開。外部評価の現状を経営層に伝える
- 自社のCSR報告書の読み合わせ会を実施する等して同志を社内で増やす
- eco検定等の資格や検定の取得を奨励する等の工夫をすることで、経営層のみでなく、会社全体を巻き込んでいく 等
CSR・環境部が変われば管理職(ミドルクラス)が変わる、ミドルが変われば会社が変わる、ということで、ブランドイメージを高めるための足元の活動から経営層への翻訳まで、経営層と環境活動の関わりを強めていくには、幅広い視野とネットワークづくりが必要となります。
<他社事例>
~やってよかったと経営陣に思ってもらえるか~
http://www.amita-oshiete.jp/voice/entry/001287.php
~社内を巻き込む環境教育~
http://www.amita-oshiete.jp/voice/entry/001392.php
上記のような社内を中心とした取り組みだけでなく、国連グローバルコンパクトへの参画や各種環境企画への参加により、社外ネットワークを構築し、社会の動きに敏感になるように努めて行きたいものです。
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【執筆者プロフィール】
田部井 進一 (たべい しんいち)
アミタ株式会社 環境戦略支援営業グループ
ワークデザイン営業チーム チームリーダー
関東エリアの工場・支店系廃棄物のリサイクルソリューション営業を経て、自社製品の回収スキーム構築、市場調査、広域認定取得運用支援、廃棄物リスク診断マニュアル作成等の業務に従事。
現在は環境業務のBPO(Business Process Outsourcing)による業務設計支援や環境戦略立案支援を中心に、幅広い顧客に対し戦略立案とソリューション支援をおこなっている。
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