Q&A
がれき類とは何?そのリサイクル方法は?
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産業廃棄物のがれき類とは、建設工事で発生したコンクリートくずのことです。がれき類のリサイクル方法としては、破砕・分級(※)によって、路盤材用の再生砕石にリサイクルするのが一般的です。
※分級:大きさや密度などを基準に粒子を分別すること
産業廃棄物の種類としてのがれき類
産業廃棄物の種類は廃棄物処理法第2条第4項及び同施行令第2条に定義されていますが、条文上は「がれき類」という種類はなく「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」(施行令第2条第9号)と規定されています。これがとても長いため、産業廃棄物処理施設に関係する条項で「がれき類」と改めて表現される他、自治体の許可証、環境省の通知などにおいても公的に「がれき類」と呼ばれ、一般にも広く認知されています。
ちなみに災害で生じた廃棄物をまとめて「がれき」と呼ぶことがありますが、産業廃棄物のがれき類とは異なる表現です。
コンクリートの破片その他これに類する不要物とは
いわゆるコンクリートくず(コンがら)と、道路などのアスファルト・コンクリートくず(アスがら)です。
がれき類とガラ陶の違い
がれき類と似たような産業廃棄物の種類として「ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く)及び陶磁器くず」(施行令第2条第7号)があります。こちらも長いので短縮してガラ陶と呼ばれることがありますが「がれき類」のように公的に使用される用語ではなく、業界用語です。カッコ書きにあるように、建設工事以外で生じたコンクリートくずはがれき類ではなくガラ陶になります。要するに同じコンクリートくずでも、発生する状況で異なる種類になるということです。
がれき類のリサイクル方法
がれき類の組成はシンプルで安定しており、セメント、石・砂利などの骨材、アスファルトで構成されています。最も一般的なリサイクル方法は、下記の工程のように破砕して、RC-40をはじめとした道路舗装の路盤材用の再生砕石(再生クラッシャラン)を製造することです(RC-40:公共工事の基準を満たす粒度範囲0~40mmの再生砕石)。
- 重機などによる前処理(コンクリートくずの一次破砕・粗破砕、鉄筋などの抜き取り)
- 固定式破砕機による破砕及び磁力選別機による金属類の除去
- ふるいによる分級・粒度調整及び磁力選別機による金属類の除去
細かく分級することにより、より付加価値の高い再生骨材にリサイクルされることもあります。がれき類がリサイクルされる路盤材や骨材は、公共工事やコンクリート製品に使用されることから、粒度や強度などの規格があります。再生砕石や再生骨材はこの規格を満たすようにリサイクルされています。
がれき類は解体工事などで大量に発生しますが、リサイクル方法とその用途がはっきりしており、大量に再生利用されます。ただし、比重が大きく一度に積載できる量が限られること、リサイクルされた製品自体が安価なことから長距離の輸送に向かず、地域ごとに需給や価格等の事情は異なる点と、再生品の用途から公共工事などに需給が大きく影響される点に注意が必要です。例えば、Aという地域では再生砕石の売れ行きが芳しくないため在庫が多い一方、100km離れた同じ県内のBという地域では引く手あまたというようなことがあります。
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執筆者プロフィール
岡田 健一 (おかだ けんいち)
アミタ株式会社
環境戦略支援営業グループ CSRチーム チームリーダー
廃棄物管理に関するコンプライアンス、リスクマネジメントのエキスパートとして、セミナー講師を多数務め好評を得ている。その他、廃棄物管理リスク診断、マネジメントシステム構築支援、廃棄物処理業者の評価/選定システムの構築等を幅広く手掛けている。
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