Q&A
廃棄物リスク低減のために、処理先の複線化をする際のポイントは何ですか?
処理方法、処理先のエリアを分散させることです。
最近の事例をもとにリスクを説明します。2013年3月に、千葉県のある堆肥化処理会社が90日間の業務停止命令を受けました。
堆肥化処理会社に処理委託していた排出事業者は、一斉に別の堆肥化処理会社への振替を検討しましたが、堆肥の需要は季節に影響する為、追加で受け入れできる処理会社が少なく、堆肥化による再資源化が困難な状況となりました。
このようなリスクを防ぐには、どのようなポイントを抑えて複線化するとよいのでしょうか?
処理ルート複線化のポイント1 ~処理方法(業種)の複線化~
一つ目のポイントは、処理方法(業種)の複線化です。先の事例のような堆肥化処理工程ですと、堆肥の需要と供給が季節で変動する場合があります。他にも業界ごとの景気や一定の時期に行われる定期修理によって、処理費や処理量が変動する可能性があります。こうした処理方法(業種)が違う委託先を複数確保し、影響を少なくすることで業界特性や景気動向等によるリスクを抑えることが出来ます。例えば「堆肥化処理(農業)」+「セメント原料化処理(工業)」などが有効です。詳細はこちらの記事をご参考にしてください。
処理ルート複線化のポイント2 ~処理エリアの複線化~
二つ目のポイントは、処理エリアの複線化です。通常は運搬コストを考慮し、極力近くで処理を検討する場合が多いでしょう。しかし、リスク分散の観点から言うと、距離・エリアを変えることで地理的リスクを軽減することが出来ます。例えば関東で1箇所、中部で1箇所、関西で1箇所等、エリアを分散させ確保しておくことは、自然災害時のBCP対策としても効果的です。
最近では観測史上最大の大雨が各地で観測され、土砂崩れなどの自然災害も多発しています。このような自然災害リスクに対して、廃棄物の処理委託という観点から備えられる対策も想定しておくと良いでしょう。
その他のポイント
エリアを分散させるために、全国規模で対応可能な処理委託会社の確保や、自社の他エリアの工場と情報交換をすると良いでしょう。色々な方法を試しながらリスク分散を図ってみてください。
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執筆者プロフィール
鈴木 昌俊 (すずき まさとし)
アミタ株式会社
総合環境ソリューション営業グループ 関東営業チーム
2008年アミタ株式会社に合流。企業の環境業務全般のコンサルティングを経験したのち、地上資源事業で主に千葉県内のお客様の再資源化を数多く提案。また、WEBを利用したマーケティング提案も行う等マルチに活躍。最近では、新設備導入支援や多面的なサービスを提供している。
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