Q&A
CSR活動を利益につなげるためには、どうすればいいでしょうか?
CSR活動を利益につなげるためには、短期的な利益追求ではなく中長期的視点に立って計画し、行動することが重要です。
短期的な利益追求は失敗する可能性が高いので注意が必要です。
また、CSR活動に中長期で取り組む場合、以下の3つの力が担当者に必要となります。
中長期的視点でCSR活動を利益につなげるとは
CSR活動は企業ブランドの向上や堅牢な組織力形成につながり、その結果が利益につながります。効果は中長期的に出てくるので、その活動はサスティナブルに実施するのが前提となります。
例えば、企業の利益が少なくなった途端に活動を止めてしまうのは、本来の意味でのCSR活動とはいえません。末永く無理なく継続的にできる活動をすべきです。短期的な利益を追求した結果、様々な無理が生じてしまい、結局は続けられなくなってしまうケースがよくあります。
最初は無理をせずに負荷の小さいところから始め、徐々に利益に一番つながりそうな活動に集中し、参加する社員も積極的に取り組めるような活動をしていくべきでしょう。
担当者の影響力
個人的な見解ですが、利益につながるかどうかは、それに関わる担当者の熱意に左右されるように思います。 同じ活動をするにしても、担当者によって経営者から引き出せる経営資源(人、物、金、情報)や社員を巻き込む力は大きく違ってくるのです。
力をつけるためにはご自身で勉強するなり、外部のセミナーに積極的に参加するなりしてCSRに対する知見を高めていくことが必要でしょう。
CSRの部署に限らず、新しく事業を進めていくには3つのスキルが重要です。
- 企業文化・風土に合わせたオリジナルな活動を企画できる力
- 企画したことを実際に進めていく実行力
- その活動を社内・社外へ認知させるマーケティング力
また、業界業種問わず多くの企業のCSR担当者から「経営者がCSRについて理解してくれない。」という相談をよく受けますが、その特効薬は存在しません。地道な活動を、やはり粘り強く伝え続けるしかありません。ぜひ、熱意を持って積極的に経営者へ働きかけをしてもらいたいと思います。
まとめますと、大きく以下の2点を実施することがCSR活動を利益につなげることになります。
- 中長期的視点で、無理なく継続的にできるCSR活動に取り組むこと
- CSR担当者が企画力・実行力・マーケティング力を身に着けること
この2点をCSR活動において心掛けることで、より魅力的なCSR活動になるでしょう。
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(2014/08/05更新)
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執筆者プロフィール
猪又 陽一
アミタ株式会社
環境戦略支援グループ CSRプロデューサー
早稲田大学理工学部卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社。理科教材やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て株式会社リクルートエージェントに。インターネット転職市場の新規事業を軌道に乗せた後アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究に従事。環境省「活かそう資源プロジェクト」メンバー。GC-JNの分科会幹事を歴任。現在、CSRレポート比較サイト「CSR JAPAN」をプロデュース。企業、大学などで講師やファシリテーターなど経験多数。2010年企業ウェブ・グランプリBtoB部門「おしえて!アミタさん」受賞。学生へのCSRレポート普及などのプロボノとしても活躍。
Twitter:http://twitter.com/inoyoko1226
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