Q&A
CSRレポートやCSRウェブサイトを「作っても読んでもらえない」のが毎年の悩みです。どうしたらいいでしょうか?
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このご質問には「読者のターゲット像を明確にする」「人を巻き込みながら制作する」等といった様々な回答が可能なのですが、今回は費用面について主にお答えしたいと思います。
CSRレポートやウェブサイトを作成する際「作るための費用や手間」だけでなく「届けるための費用や手間」を十分確保しておくことが大切です。
届けるための費用を確保していない、その手間を考慮していない場合「作ったけれども、読まれない」という状況になりがちです。「届けること」は想像以上にパワーがかかることですので、作成する段階で、届ける手法まで合わせて計画することが大切です。
「作るための費用」って?
主要な費用を以下にあげます。
・作成にかかる人件費:CSRレポートやウェブサイトの企画・制作・原稿執筆等に携わる社員の人件費・・・(1)
・制作委託費:制作会社に支払う業務委託費。内訳は、CSRレポートやCSRウェブサイトの企画・原稿作成・写真撮影・コピーライティング・デザイン・レイアウト・校正等・・・(2)
・印刷費:制作会社もしくは印刷会社へ支払う、CSRレポートの印刷費用・・・(3)
(1)の費用を厳密に計算している会社はあまり多くないと思われます。社内の稟議では、(2)および(3)の費用について、数社から提案書・見積書を取得し比較・検討しているのではないでしょうか。
しかし、予算確保のため、(2)と(3)だけを意識していると「作ったけれど、読まれない」ということになりがちです。
「届けるための費用」って?
届ける手法は様々ですが、主要なものをあげてみましょう。(4)はともかく、それ以降については、あまり意識していなかった方も多いのではないでしょうか。
・郵送費:各拠点の社員や、株主・顧客・取引先といったステークホルダーに送付するための費用・・・(4)
・インターネット広告費:インターネットユーザーを、ウェブサイトに誘導するための費用・・・(5)
インターネット広告費には様々な種類がありますが、バナー広告や検索連動型広告、最近ではソーシャルメディア上での広告等もあります。CSRに関心が高い人を読者として多く確保しているインターネット・メディアとタイアップする手法も、最近は使われています。
・告知に関わる人件費:社内外にメール等で告知したり、会社のウェブサイトの良い位置からリンクを張ってもらうための調整、社員向けの説明会の実施、プレスリリース配信サイトで情報を配信する等の作業にかかる社員の人件費・・・(6)
冒頭にもお伝えしたとおり、作成したCSRレポート・CSRウェブサイトを本当に届けたいステークホルダーに「届ける」には、(5)や(6)にかかる予算を予め確保しておくことが重要です。
そのためには、そもそも何のために作成するのか、という目的を明確化し、(2)~(4)にかかる費用を最適化することも求められます。
上述した内容を実践するには、マーケティング部門が持つノウハウを借りることが有効です。社内のマーケティング部門と意見交換の場を持ってみてはいかがでしょうか。
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執筆者プロフィール
渡邉 文隆
アミタホールディングス株式会社
経営統括グループ 共感資本チーム
京都大学総合人間学部卒業。デジタルハリウッド大学大学院修了。2000年から国内外のNPOでファンドレイザー/プロジェクトリーダーとして活動。現在はアミタで環境ビジネス、CSR活動やNPOのウェブ戦略/マーケティング支援に携わる。アックゼロヨン・アワードや企業ウェブ・グランプリ等のウェブ関連アワード、論文等で複数受賞
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