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微量のPCB廃棄物はどうすればよいの?

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無害化処理認定制度に基づく大臣認定で第一号となる施設が認定され、2012年3月末現在では認定5件、審査中2件となっており処理が本格的に始まりました。前回はPCBの基本情報や関連法についてご紹介しましたが、今回は微量のPCB廃棄物についてご紹介します。

微量のPCBとは

2002年に微量のPCBに汚染された絶縁油を含むものが存在することが判明し、2006年より焼却実証試験が開始され、2009年には無害化処理認定制度の対象に微量PCB汚染廃電気機器等が追加されました。 2010年からは無害化処理認定制度に基づく大臣認定で第一号となる施設が認定され、2012年3月末現在では認定5件、審査中2件となっており処理が本格的に始まりました。

環境省では現在燃焼温度が1,100℃以上の施設に関して認定を行っていますが、絶縁油については、1,100℃未満(850℃以上)の焼却処理施設についても認定の対象として制度を運用する方針にしています。 また、トランスやコンデンサを扱える施設が少なく、関東にはそもそも施設がないため、今後増えていくことが望まれます。

微量PCB廃棄物を含むPCB廃棄物量

  1. 高圧トランス・コンデンサ等:約34万台
  2. 安定器等・汚染物安定器等:約600万個汚染物,感圧複写紙: 約700トン汚染物,ウエス:約200トン汚染物,汚泥:約2万トン
  3. 微量PCB汚染廃電気機器等トランス・コンデンサ等:約160万台再生油柱上トランス:約382万台

※再生油柱上トランスについては、電力会社6社が自社処理を順次行っており、絶縁油は全体で約6割、容器は約5割の処理が完了をしています。

処理にかかる期間について

現状では、処理施設が少なくPCB廃棄物特別措置法の処理期限(2016年7月)までの処理は困難な状況ですが、当面は処理施設の増強・多様化に努めることが重要です。ストックホルム条約の処理期限が2028年となっていますが、遅くともその期限からある程度余裕を持った時期を期限として処理することが検討されているようです。

処理基金による助成

PCB廃棄物を保管している中小企業者が処分業者(現在は日本環境安全事業株式会社)に処分委託する際はその処理費用が軽減されます。 微量PCB 汚染絶縁油の特別産業廃棄物等は、処理費用も高額になり、財団法人愛媛県廃棄物処理センターが開示している情報によると116,600円/klとなっております。 保管費用や毎年の申請等を考えると、早く処理してしまいたいと思うのも当然です。

先ずは分析

そもそも廃棄物にPCBが含有しているかどうかや、どれくらいの濃度のものか不明であるがため、なかなか処理に踏み切れず放置している状態のものも多いようです。 保管事業者の方は、先ずはPCB廃棄物に関する情報を把握することから始めてはみてはいかがでしょうか。

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