Q&A
返送されたマニフェストの内容に、不備が見つかった場合の修正方法とは
マニフェストの交付時には不備がなくとも、処理会社から返送されたマニフェストに不備が見つかる場合があります。本記事では返送されたマニフェストの内容に不備が見つかった場合の対応方法のポイントを、わかりやすくご説明します。
※ 本記事は2009年04月30日の記事をもとに、2024年3月11日に更新しています。
返送されたマニフェストの法定記載事項に不備があった場合の対応方法
返送されたマニフェストの法定記載事項に不備があった場合、速やかに処理の状況を把握し、状況に合わせて廃棄物の回収やマニフェストの訂正などの必要な措置を講じた上で、措置内容等報告書(規則様式第4号)を返送期限から30日以内に都道府県知事などに提出しなければなりません。
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対応1:処理の状況を確認する
棄物処理法第12条の3第8項によると「(中略)......規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しを受けたとき...(中略)...は、速やかに当該受託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない」 となっています。
ここでいう「適切な措置」については、施行規則第8条の29に生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるとともに「虚偽の記載のあることを知った日から三十日以内」に様式第4号による報告書を都道府県知事に提出することが定められています。
例えばマニフェストの「最終処分を行った場所」の名称や住所が実際の最終処分先とは異なっていた場合、本来その廃棄物を扱うことができない処分業者のもとへ産業廃棄物が運搬され、不適切な処理が行われた結果、何らかの事故につながる可能性があります。マニフェストの不備は重大な結果を招くおそれがあると認識する必要があります。
生活環境の保全上の支障が発生していないかどうかの確認も「適切な措置」の一つです。また、処分業者に運び込まれた廃棄物が未処理の状態で残っていれば、これを回収するなどの措置が必要になることもあるでしょう。
対応2:マニフェストを訂正する
マニフェストの内容に不備があった場合、訂正の必要が生じます。マニフェスト自体を訂正するとともに「誰が」「どこを」「どのように間違え」「本来記載すべき内容は何か」を記載した文書を作成・共有し、各事業者がその文書をマニフェストと共に保管するといった方法をお勧めします。
記載ミスとなった経緯を文書に残しておくことでマニフェストの不備が過失であったことを説明できますし、行政の立ち入り検査や社内監査などの際に、排出事業者として「適切な措置」をいつ・どのように行ったか、第三者に状況が説明できる根拠になります。不備のあった箇所が法定記載事項であった場合は、そうした訂正内容の共有行為も「生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置」の一つだといえるでしょう。
これら適切な措置を講じた上で、自治体に措置内容等報告書を提出しなければなりません(施行規則第8条の29)。
また、マニフェストの記載に不備があったからといって、マニフェストを再発行するのはやめましょう。マニフェストは廃棄物の引渡しと同時に交付する(廃掃法第12条の3第1項)ものですので、再交付はその運用から逸脱し、法令違反と判断される可能性があります。
さいごに
記載内容の不備は、簡単に分かる場合もあれば、処理委託契約書と照合しなければ分からない場合、日ごろの取引の積み重ねによってはじめて分かる場合もあります。マニフェスト制度は、排出事業者が適正処理を行うために産業廃棄物に関する正確な情報を運搬や処理業者に伝えるとともに、委託した産業廃棄物が適正に処理されていることを把握するための制度であるという趣旨を念頭に置き、適切な対応を行ってください。
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執筆者プロフィール
田岡 拓未 (たおか たくみ)
アミタホールディングス株式会社
経営戦略グループ マーケティングチーム
神奈川県出身。北海道大学農学部卒業。林業や地域振興に興味があり、アミタが環境認証審査、未利用資源を活用した地域循環型モデルの構築を行っていることを知り、入社を決意。現在は、マーケティングチームにて、非対面の営業・セミナー企画・ウェブサイトの運営などを担当。
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