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土壌汚染対策の具体例2 真の汚染原因調査するには?知って得する、土壌汚染の新常識

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前回に続き、本来あるべき土壌汚染調査に基づいて調査してきた事例をご紹介します。


(Photo by infomatique.Some rights reserved)

米国のスーパーファンドサイトの事例

ここ数年、中国や欧米諸国においてグラウンド・エア・システム及び君津式表層汚染調査法による調査を行う機会を得ておりますが、このサイトは1986 年に米国で公営水道の水源井に VOCs による地下水汚染が発覚したのが始まりです。

当初は対策として揚水ばっ気と土壌ガス吸引が継続されてきましたが、未だに浄化が達成できな かったため、このサイトで一昨年に君津システムのグラウンド・エア・システム及び君津式表層汚染調査法による調査を行いました。調査結果は図1と図2の通りです。

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調査対象面積は 43,000 m²あり、工場建屋内で 1,000ppm を超える地下浸透地点が複数箇所で確認されました。高濃度の汚染源が通気帯および地下水中に存在し、地下水汚染の原因となっていることから対策としては通気帯の精査と浄化の優先順位が高く、かつ極めて有効だということがわかりました。

このサイトでは、重大な汚染原因箇所を見落としたまま建屋外で 25 年間も的はずれな浄化対策に 膨大な費用を注ぎ込んでしまいましたが、今回の調査結果を基に、現在浄化方針の修正を行なっています。

地下水汚染は地質汚染の一要素

この事例は海外の事ではありますが、日本国内でも残念ながらよく見かける事例であり、当初から正しい調査が行われていればと思わざるを得ません。

特に米国では社会制度上の理由から地下水汚染に注意が行きやすいのですが、地質汚染の一要素として地下水汚染があるということや正しい調査が不可欠なことを再認識させてくれる事例でした。

次回は、今までお伝えしてきたことの総まとめをお伝えしたいと思います。

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執筆者プロフィール
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鈴木 喜計 (すずき よしかず)
君津システム株式会社
代表取締役

1973年君津市役所に入所。31年間公害問題の調査研究・技術開発に従事し、土壌・地下水汚染の調査手法や浄化技法の開発・検証・普及に努める。
いままでに実施した地質汚染調査・浄化の実績は海外を含め100件を超え、240もの学術論文/研究発表、13巻の著書(共書)を持つ。その専門性が認められ、平成9年に起こった日本初の地下水汚染事件での鑑定人や平成14年土壌汚染対策法での国会参考人を担当、土壌環境基準設置委員(環境省)、廃棄物処理法改正委員なども歴任した。平成16年に「君津システム株式会社」を起業し現在に至る。

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